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綱吉の私室は広くて、あまり物がなかった。
執務室がかなり書類で散らかっていることが多いのであまり物がないことに少し違和感。
…そっか…書類は仕事上のものだけど、あの執務室にも私物はなかった。
つまり、私物はあまり置かないということ。
少しだけ寂しく感じた部屋を通りすぎて隣の寝室へ行く。
恭弥が迷わずそちらに行ったということは恭弥は一度は綱吉の私室に入ったことがあるのだろう。
「開けて」
「はい」
寝室のドアを開けるとやはりそこもベッドくらいしかなくて少し寂しい。
綱吉をベッドにゆっくり寝かせると恭弥は「世話が焼けるね」と面倒くさそうに呟いた。
そのことに小さく笑って綱吉に布団をかけると、部屋をあとにしようとした、けど。
何もない部屋にある、二つの写真たてが目に入る。
一つは少し幼い綱吉や守護者の方々、他にも知らない子どもたちがたくさん写った写真。
守護者の方々はみんな同じ学校だったと聞いていたから…多分その時の写真だろう。
みんな楽しそうに笑っていて、微笑ましい。
もう一つの写真はーー……
「姫、行くよ」
「……あ…はい…!」
恭弥に声をかけられて慌てて部屋を出る。
でも、頭の中は写真のことでいっぱいだった。
ーーー綱吉と綺麗な女性が二人で写った写真……
あの方は、誰?
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