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私がボンゴレの任務にあたることはない。
信頼されていないわけじゃないだろうが、ただ単に自分のファミリーの仕事がある上にボンゴレの人員が充分に足りているからだ。
だから滅多に任務をこなすことはないのだが……




「オレと一緒に任務に行ってくれないかな?」

「綱吉と、ですか…?」

「うん、ちょっと厄介な任務でね」




女性同伴じゃないといけないんだ、という言葉にパーティーの潜入捜査だと暗に悟る。
大体女性同伴が規則のときは公式な堅苦しいパーティーであることが多い。
そういうパーティーはやはり大体大きなものであり、人間関係が厄介だったりするのであまり進んで行かないのだが、綱吉に言われたのなら話は別だ。




「勿論一緒に行きます」

「よかった。ドレスはまたクロームに頼んでるから」

「ありがとうございます」

「本当はオレが選びたかったんだけど…」




パートナーだからね、と残念そうにする綱吉に今度お願いしますね、と笑いかける。
うん、と頷いた綱吉に退出のご挨拶をしてから自室に戻ることに。
コツコツとヒールが響く中、歩いていると前から特徴的な髪型の方が歩いてくるのが見えた。




「おや、奇遇ですね」

「お久しぶりです、六道様」

「クフフ…相変わらずですね。
そういえば今度ある沢田綱吉の任務は君がパートナーですか?」

「えぇ、そうですけど…」

「…そうですか」

「…?何か…?」

「いえ。…気をつけて行ってきてください」




ふとした瞬間に六道様の顔色が曇ったように感じたが、今の六道様は変わらぬ笑みを浮かべている。
気のせいだろう、と完結させて頭を下げて通り過ぎようとすると、「そうだ」と思い出したように六道様が声をあげた。
それに振り向くと先ほどとは違って少し柔和な笑みを浮かべていた。




「クロームがあなたに会いたがっています。
今度、会ってやってください」

「…!はい、是非」

「あぁ、あとドレスに関してですが……まぁ、……がんばってください」

「(どんなドレスなの!?)」




小さなひきつったような笑みを浮かべる六道様に不安がよぎるが、いつの間にか去ってしまっている六道様に問いただすこともできず。
どんなドレスなのだろう、という不安を残して姫は自室に戻ったのだった。

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