波乱の予感!
シャボンディパークを存分に遊び終わると姫はご満悦だったようだ。
ニコニコとご機嫌よく笑っていると通りの向こうで何やら一悶着あったらしく、すっと耳をすましてみた。
ーーー奴隷。天竜人。…人身売買。人魚。麦わら。
そんなキーワードが聞こえてきて、少しだけ嫌な気分になる。
そんな姫のあからさまな変化に気づかないはずがなく、ローはどうした、と姫に声をかけた。
「…ロー、この島にも人身売買があるんだね…しかも堂々と」
「……あぁ、ヒューマンショップも多くある」
「最悪。…噂によると人魚が捕まったんだって。しかも、麦わらくんの知り合いみたい」
「へぇ…麦わら屋の……どこに売られたかわかるか?」
「…待って……多分、…一番にあるヒューマンショップ」
「行くぞ」
面白そうだ、と笑ってローは歩き出す。
人を買ったりしないと思うが、姫は何かとてつもない大きなものが待っていそうな気がしてざわり、と鳥肌がたつ。
この先に何があるのか不安になるが、隣にいるローがいれば大丈夫、と落ち着こうと深呼吸。
時々賞金稼ぎに出会いながらも難なく倒して1番グローブに着く。
ヒューマンショップは違法のはずなのに堂々とその施設はあり、人が賑わっていた。
みんな着ているものがいかにも上等なもので、人を買うくらいならもっと他のことでお金を有効利用すればいいのに、と姫は密かに苛つく。
中に入るとそれはまた豪華な会場が目に入る。
適当なところにローが座るとその隣に姫も座った。
「何か…空気が気持ち悪いよ、ロー」
「ここにいる奴らみんな気持ち悪りぃからだろ」
「…やだね、こういうの」
そう眉をひそめると誰か有名な人間が入ってきたのか少しだけ会場がざわめく。
後ろに視線をやるとローより賞金の高い、ユースタス・キャプテン・キッドとその仲間が入ってきたようだった。
キッドは少し周りを見渡すとローに気づいたようで軽く好奇の視線を向ける。
その視線に気づかないローじゃないから、キッドの方を振り向くとにやりと不敵な笑みを浮かべて中指を立てたのだった。
行儀も悪いと言われて何故か満足そうなローに苦笑して姫はトイレに行こうと席を立つ。
入り口の方に向かうと何故かキッドと目が合い、無視するのもまずいから、と姫はとりあえず小さく笑っておく。
するとキッドは何故か固まったので、姫は「なんで?」と首を傾げながらもまぁいいか、と自己完結してその横を通り過ぎようとした。…が。
「……何ですか?ユースタスさん」
何故か、腕を掴まれた。
怪訝そうな姫をじっと見つめたかと思うと、ぽつり、と一言。
「…惚れた」
「は…?」
「惚れたっつってんだろ。トラファルガーの船降りて、オレの船に乗れ」
「ええええ!?いや、はい!?」
「よし、はいって言ったな。今すぐ行くぞ」
「いや、そういうはいじゃなくて聞き返したんですって何引っ張ってんですかー!」
腕を掴んだまま歩き出そうとするキッドに姫が叫ぶとローが二人の間に入った。
キッドはローを睨むがローは一歩も引くつもりはない。
「…あのー…」
『さぁ始まります!』
「「………」」
「(睨んだまま!?)」
オークションが始まったようで席につくように言われてようやく二人は目を反らした。
姫はもちろんローについていったが、何だか嫌な予感がしたのだった。
波乱の予感!
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