この恋は破滅へと向かう



あの日からすぐに不幸か幸かすぐにわりかし大きな島に着くことができた。
いつもならローと姫は一緒に出かけたりするのだが、気まずく…というより今は話したくないとばかりにすれ違っていた。
なので姫のテンションは低くく、珍しく自分から船番をすると言いだし…特に反対するものはおらず(あぁみえて姫は能力者なので強いのだ)一人船番をすることになった。

ローは何か言いたげだったが、結局何も言わずにいつものように船を降りる。




「…シャチ、酒場を探せ」

「えっ!?今から飲むんすか!?」

「悪りぃか」

「……いえ、了解っす」




思いっきり自棄酒じゃないっすか、という言葉は飲み込んで頷き、その場から離れる。
ペンギンだったら自棄酒ですか、と言えたかもしれない、と密かにペンギンに目配りしながら。
適当な酒場を見つけるとロー達に連絡して何人かのクルー達も一緒に酒場に入ってくる。




「この店にある酒全部出せ」

「え、キャプテン!?」

「わ、わわわかりました!」




慌てたようにベポが止めたが既に遅く、店の人間が大量に酒を持ってくる。
クルー達は喜んで飲み始めたがベポは少し顔を曇らせた。…けど運ばれてきた料理がおいしそうだったのですぐに気を取り直した。

わーわー騒ぐクルー達から離れてローは一人浴びるように飲んでいる。
あんなに飲んでいるのは初めて見た、とペンギンは横目で確認しながら少しずつ飲んでいく。

…しばらくすると、どこからともなく派手な化粧に派手なドレスを着た女達が入ってきた。
誘うように寄ってくる女をそれなりにあしらい、ちらりとローを見れば…やはりというべきか、女が一人ローを口説いていた。




「いい男が一人?寂しいのね」

「………」

「…私なら、満足させてあげるけど?」

「……ふっ…やってみろよ」



信じられない、とばかりにペンギンはローに視線を向けたがローと女はすぐにどこかへ消えていて。

あの馬鹿キャプテン、と初めてペンギンはローに対して悪態をついたのだった。



この恋は破滅へと向かう
(姫が泣いても知らねぇぞ)

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