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一番忙しい時間はもう過ぎていたのか少しゆったりした雰囲気のカフェに到着する。
実はこのカフェのオーナーとは知り合いで、できたから来いとうるさかったのだ。
…このオレを呼び出すとはいい度胸じゃねぇか。
カフェにつくとテラスが空いてたようでそっちに案内される。
思っていたより洒落た雰囲気に笑いそうになる。
あの男が本当に経営しているのか、と。
まだランチは終わってないようで二人でランチを頼んでみる。
「可愛いお店だね」
「あぁ、意外にな」
「…?意外に?」
「…知り合いがここのオーナーでな」
「え!?そうだったんだ!」
今日はオーナーさんいるかな?と笑う姫にさぁな、と肩をすくめる。
いたとしてもアイツをからかって面白がるだけなのだが。
しばらく経つと金髪のマスクの男が両手にプレートを持ってこちらにやってくるのが見えた。
その様子がやはり似合わなくてふ、と笑いを溢すとあちらもオレに気づいたのかマスクの下でトラファルガー、と呟いたのがわかった。
どうやらキラーが手に持っていたのは俺たちのランチらしく、お待たせしました。と言いながらプレートをテーブルに置く。
「来てたのか、トラファルガー」
「あぁ、お望み通り来てやった。それにしても似合わねェな」
「うるさい。…で、そちらの人は?」
キラーの視線が姫に向かう。
姫は突然振り向かれたことに驚いていたが、すぐに初めまして、と笑顔になる。
「ローと同じ病院で働いている姫といいます」
「キラーだ。トラファルガーと同じ年か?」
「はい」
「なら敬語はいらない。キラーでいい」
「…!うん、じゃあそう呼ぶね」
「よろしくな。…トラファルガー、お前の新しい彼女か?」
「…ッ!ごほっ…!」
「ロー!?大丈夫!?」
彼女、という言葉に何故か動揺したオレは飲んでいたコーヒーが気管に入り、思わず噎せる。
そんなオレに姫は心配しながら「そういう関係じゃないですよ」と笑ってキラーの問いに答えていた。
…思い切り動揺したオレの居たたまれなさをどう表現したらいいか……
とりあえず、原因であるキラーを睨み付けるとアイツは何故かニヤリと笑った気がした。
「キッドを呼ぼうか?」
「いや、いい。うるさくなるだけだ」
「誰がなんだって?」
「キッド」
久しぶりだなァ、と自分でもわかるくらい意地悪く笑うとユースタス屋の顔が不機嫌そうに歪む。
コイツとは基本的にうまが合わないが、何故か一緒にいることが多い。
そしてコイツをおちょくることが何より面白いのだ。
「…珍しい女連れてんな、トラファルガー」
「トラファルガーの同僚だそうだ」
「へぇ…あんた、真面目そうな顔して男の趣味最悪だな」
「え…?い、いえ、」
「黙れ、ユースタス屋。姫はそんなんじゃねぇ」
ユースタス屋が言いたいのは何時もの遊びの女なんだろ、という意味だ。
オレではなく、姫を馬鹿にするような言い種に機嫌が急降下し、自然と声音が低くなった。
そんな雰囲気を察したのかユースタス屋が驚いたように目を丸くしたのがわかった。
そして、何故か大爆笑。
店にいる奴らが何事だ、とこちらを見てくるほどの爆笑ぶり。
ついにイカれたか、と見ているとユースタス屋は「…あのトラファルガーがなァ…」と小さく呟いた。
「悪かったな、お前名前は?」
「え…!あ、姫です」
「姫、な。俺はユースタス・キッド。キッドでいい。…にしても、な…くくっ!」
「消されてぇのか、ユースタス屋」
恐らく、というか絶対ユースタス屋が何故笑ったのかわかっていない姫はひたすら首を傾げていた。
消すぞ、という言葉があまりにも迫力がなくなっているのをわかりながら、誤魔化すように俺は再びコーヒーに手をつけたのだった。
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