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「くくっ…面白ぇモンが見れたな」
「違いない」
「仕事しろ、お前ら」
「あぁ、そろそろそうするか。ごゆっくりどうぞ」
まだ笑い続けるユースタス屋はさっさと奥に引っ込み、キラー屋は頭を下げた後他のテーブルを片付けに行った。
…アイツら余計なことしやがって。
むすっとしているのがわかったのか姫が小さく笑みを溢した。
「仲いいね、三人とも」
「よくねぇ。ただの腐れ縁だ」
「腐れ縁…いつから?」
「大学の時だ。あいつは経済学部で、サークルが一緒だった」
「そうだったんだ」
楽しそうに笑い続ける姫。
その笑顔を見ていると…少しだけ、想像してしまった。
姫がもし、オレから離れて行かず、一緒の大学に行き…ずっと、ずっと一緒だったら。
―――あの笑顔がもっと見れたのだろうか。
…なんて、無益な想像だ。
あの笑顔をずっと見れて、ずっと側にいるなんて、…あぁ、なんて愚か。人の関係はすぐに変わってしまうのだから。
自分の考えた想像に自嘲して、俺は目の前のプレートに手をつけようとした。
―――ピリリリリ!!
「「…!」」
その場に響く携帯の音にオレと姫は素早く携帯に目を走らせる。
あの着信音は病院から…つまり、急患が出たということ。
どうやらオレにかかってきているらしく、オレはすぐに通話ボタンを押した。
「トラファルガー先生、至急戻ってきてください!急患です!」
「すぐ戻る。容態は?」
知らされる患者の容態に軽く眉をひそめる。
とりあえず軽い指示を出していると姫はすでに会計に行って帰る支度をしていた。
姫に患者の容態を説明すると、すぐに店を出る。
…せっかくの姫とのランチだったが、仕方ないな。
「ロー、私にも召集がかかったよ。…かなり患者さんが運ばれてるみたい」
「大きな事故でもあったか…はやく行くぞ」
走って病院まで帰ろうとした。
いや、途中まで二人とも走って向かっていた。
姫は走るのが苦手なのか少しゆっくりめに走っていたのだが……
…ふいに、隣がいなくなった。
え、と振り向けば胸を苦しそうに押さえて座り込む姫がそこにいた。
「…っ姫!!」
「…、……っ」
「姫!姫!?どうしたっ…!?」
ぎゅうっと胸を押さえる姫に嫌な汗が流れる。
脈をみて、直ぐ様姫を抱き上げた。
…救急車を呼ぶより、オレが走った方が早い。
姫、ともう一度彼女の名前を呼んで、オレは病院へ走り出したのだった。
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