去年の体育祭、今年の体育祭



「あ、みんな揃ったね!じゃあちょっと体育祭について話し合いたいから席についてくれるかな?」




教室を見渡してそう言うと所々で返事が聞こえてみんな席に戻っていく。
姫は昨日作ったばかりの書類をファイルから取り出して黒板に種目を書いていった。
徒競走というポピュラーなものから珍しい種目まで書いていくとその下に数字を書いていく。
大方書き終わると下の数字は人数なのでそれぞれ決めてほしい、とのこと。
リレーがないところをみるとこれらは団の組み合わせには関係ないようだった。

教室中がざわめき始めるとルフィが「なぁなぁ!」と好奇心旺盛な笑顔で姫に駆け寄る。




「どうしたの?」

「プログラムはもう作ったのか!?」

「うん、これだよ」

「見せてくれ!」

「はい。どうぞ」




ありがとう!と笑ってルフィはその種目に目を通していく。
ナミやエースも興味があるのか横からのぞき込んで、たくさんある種目を覚えていった。




「へぇ、今年借り物するのね!」

「うん。去年は時間がなくてできなかったから今年こそしようってことになったの」

「この仮装リレーって何だ!?」

「部活対抗で部長がくじで引いた紙に書いてあった衣装を着て部の中で選抜された7人でリレーをするんだよ。
去年はサッカー部がメイド服をあてて…うん、すごかった…色々と」




思い出すだけでも笑える光景だったわよね、とナミが笑うとルフィが無邪気にありゃあ酷かった!と大爆笑していた。
メイド服着るならテニス部に着てほしかった、という声がたくさんあったことはナミにとって秘密事項だ。

エースは初めての体育祭なのでへぇ!と目を輝かせながらルフィとナミの話を聞いていく。




「ん?CPRってなんだ…?」

「あぁ、それは…カップルレース。つまりカップル限定の障害物競走よ。盛り上がるか白けるかの両極端な競技」

「去年は盛り上がったよ?優勝商品狙ってルフィが女装して出ているのを応援してて」

「あれはただの馬鹿」

「なんだよナミ!商品が骨付き肉10kgだったんだ!ほしかったんだよ!」

「プハハ!ルフィやるなぁ!」




笑い事じゃないわよ、弟どうにかしなさい!というナミの声にエースとルフィはただ笑うだけ。
ルフィなんて今年の商品は何だ?と目をきらきらさせて聞いている。
それは今度発表するからそのときのお楽しみね、と笑って姫はごまかしたが。

そんな雑談をしながらとりあえず種目はある程度決まり、先生も来たので授業が始まった。

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