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「(ボンゴレの天秤ともあろう者が一般人に負けていいのか?)」
「(天秤関係ないよ!しかも戦闘じゃないからね!?)」
「(テニスも、勝負ごとの一つだ)」
勝つよな?と脅しをかけるリボーン…いや、リボ山先生。
その間にみんなの期待が高まってしまって、「美瑠ちゃんなら勝てるよ!」なんて言い出すから。
これはもう……頷くしか選択肢が残ってないでしょう?
こくりとしょうがないというように頷けば満足そうにリボ山先生が笑う。
…うぅ、リボーンの思惑に乗った気がする……というか確実に乗せられているよね…!
「じゃ、決まりだな」
「よっしゃー!これでテニスの優勝は頂いたも同然だな!
じゃ、次にバスケの出場選手を決めるぞー」
出たい人―という言葉に次々に決まっていく競技。
みんなが楽しそうなのは嬉しいし、期待されるのも嬉しいけれど……
どうしてよりにもよって個人競技なんだろう、と苦笑するとツナが心配そうにのぞき込む。
「大丈夫?嫌なら、言った方がいいよ。
あいつらも強制してるわけじゃないからさ。まぁリボーンは、ちょっと強制的だけど……」
でも、美瑠ちゃんが本気で嫌がれば、しょーがねーな、と言って諦めるはずなんだ。
リボーンは……美瑠ちゃんが本当に嫌がることを強要しない。
美瑠ちゃんにだけ、甘いから。
そうツナはスピーっとすでに興味をなくしたのか寝ているリボーンを見ながら小さく笑った。
「ううん。嬉しいよ、何か期待されてるみたいで!」
「そっか…」
「ツナは何に出る?」
「オレは出ないよ…」
どうして?と首を傾げる私にツナは苦笑しか返さなかった。
その反応に、なんとなくわかってしまった。
きっと…ツナは自分が“ダメツナ”って呼ばれているから、自分のせいで負けてしまうことを嫌がっているんだ。
そんなこと、関係ないのに。ツナは絶対ダメツナなんかじゃないのに。
…でも、長年そう言われ続けられたせいでその固定観念が消えないんだ。
どうにか、ダメツナじゃないってこと気づいてほしいんだけどな……
そのためには自分から気づきにいかないと、ダメなんだよね。
他人がいくら言ったって…本人が気づかないと。
「そっか…じゃ、応援よろしくね、ボス♪」
「ボスじゃないからー!!」
ツナのツッコミにクスリと笑って、みんなの輪の中に入っていく。もちろん、ツナも一緒に。
スポーツ大会……とっても楽しみだなぁ…!
最近全然テニスしてないから……きっと、腕がなまってるはず。
感覚も忘れかけているし…練習しなきゃ、だね!
いつ練習するか、と頭の中で計算しながらみんなと一緒に笑いあった……
(無理矢理、恭弥を忘れるように)
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