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恭弥と再会して今は一人で懐かしい並盛の街を歩いている。
恭弥が今日は離さないよ、って言ってくれたけど…(…中々照れる、ね)少しだけ、時間をくださいって頼んだ。

確かに恭弥に一番に会いたかったけど、次に会いたい人がいたから……


―――誰でもない、私の太陽に。

変わらない町並みを歩いて変わらず暖かさが詰まったような家の前に立った。
中からは相変わらず楽しげな笑い声が聞こえてくる。

その声に再び実感した。あぁ…帰ってきたんだ…って。

でも今日は……思い出に浸るために来たんじゃない。けじめをつけに来たんだ。

覚悟を決めたように背筋を伸ばし、インターホンを鳴らせば、



「はーい!どちら様……」

「こんにちは」



少し背の伸びた、太陽である彼が出てきた。

一年でこんなに男の子って背が伸びるんだなぁ、と少しだけ寂しく思ったけどまた会えた喜びで思わず微笑む。
けれどツナは何も言わず、ただじっと私を見つめるだけ。

…変だな。ツナならきっと「美瑠ちゃん!?」ってびっくりしてくれると思ったのに。
ツナ?と控えめに彼の名前を呼んでみるとびっくりしたように目を見開かれた。



「オレの名前知ってるんですか!?」

「……?」



当たり前だよ、だって中学のとき一緒にいたんだから。

そう言いたかったけどツナの驚きようがすごいから何故か言えずに首を傾げるしかできなかった。
どうしてそんなこと…私のことを忘れた、ってことは多分ない……といいなぁ、って願望になるけど。

忘れているにしろ、こんなに驚くわけ……あぁそっか、あれから一年も経ったんだ。

私がツナを見てすごく大人っぽくなったなぁ、って思うのと同じでツナも私の顔つきが少し大人っぽくなったからわからないのかも。
そうわかったらちょっとだけおかしくてクスリ、と笑みを漏らす。

そういえば初めて会ったときも、私を高校生と間違えてくれたよね。
きっと今回も年上に思ってくれたんだよね?話し方が敬語だったから。

するとツナは何かに気づいたような表情をして、



「…もしかして……美瑠、ちゃん…?」

「ふふっ、そうだよ」



ようやく気づいてくれたみたいで嬉しいな。
本当にここまできたら忘れられたかな、って少し不安になるところだったよ。

なんて、そう心の中で思っていればツナはどんどん嬉しそうな顔になって、特大の満面の笑顔を浮かべた。



「おかえり!美瑠ちゃん!!」

「……!」



“おかえり”

その言葉に私は正直、衝撃を受けた。
ツナは自分でも無意識に発したのか、何言ってんだオレ、みたいな顔をしている。

無意識、ということに気づいたらもっと…もっと、嬉しくて。
私の中にあった不安がすべて飛び出したように、頬に涙が伝うのがわかった。

突然泣き出した私にツナは動揺したようで「美瑠ちゃん!?」と慌て始める。

違う…ごめんね、違うの。私はただ、安心しただけなの。嬉しかった、だけ。



「ごっごめん!私、ツナに“おかえり”って言われるとはっ思わなくて…!
まだファミリーとして認められてたんだって……っ」

「あっ…」



そう言うとツナは少しだけ悲しそうな顔をして私を見つめる。
私がイタリアに帰った理由は一時的でもヴァリアー側についたことによる謹慎のためだ。
ヴァリアーのみんなが騒ぎを起こした罪で謹慎になったから私も一緒に罰を受けようと。

一時的とは言え……やっぱり“裏切った”ことには変わりない。

だからツナたちにお別れも言わずにイタリアに帰った。…そのことも含めて、きっとツナたちは怒ってると思っていた。

だから……ツナの“おかえり”っていう言葉は私にとって予想外で。


―――まだ、私の居場所はあるような気がして…嬉しかった。

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