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「…美瑠ちゃん」
「っ、はい…っ」
「オレ達、美瑠ちゃんが裏切ったなんて一度も思ってないよ?
だって、友だちだし………ファミリー、なんでしょ?」
“ファミリー”なんてマフィアになるのと同意義だったから今までファミリーなんて言葉使わなかったけど。
言葉にはしていなかったけど、きっと美瑠ちゃんが誰よりもファミリーという言葉を大切にしていたように思えたから。
今の美瑠ちゃんにとって、何よりも大切な言葉だと思って初めてその言葉を使った。
嘘じゃないと、いうように真っ直ぐ見つめると美瑠ちゃんの目からぽろり、と涙がこぼれ落ちる。
「な、泣かないで!」
「ごめん…っ!でもっ、ツナ、優しすぎっ…」
「えぇ!?そ、そんなことっ…お願いだから泣かないでよ〜!」
「……っ!ツナっ!!」
「は、はいっ!?」
突然美瑠ちゃんが乱暴に自分の涙を拭いて、オレを真っ直ぐ見つめる。
……こんな時も美瑠ちゃんって綺麗………ってオレは何を考えてるんだよ!
お、オレには京子ちゃんがいるのに…!
…でも、綺麗だっていうのは本当で……思わずオレも見つめ返すと、美瑠ちゃんは、スッと自然な動作でオレの前に片膝をついて頭を垂れた。
………ってこれって…跪いてる!?
「美瑠ちゃん!?」
「10代目」
その動作に思わずみっともなく慌てるオレを遮るかのように凛とした、声。
本当ならそんなことしないで、とか言いたいのに……美瑠ちゃんの顔がすごく真剣だから、どうしてもそういう言葉が飲み込まれてしまう。
それどこか美瑠ちゃんの雰囲気に呑まれて、オレまで慌てることを忘れてしまった。
どこか神聖にさえも思えるこの空間に、息を飲む。
「ずっと…貴方のお側に―――My lord(我が主)」
「…美瑠ちゃん……」
ふわり、と大人びた微笑を浮かべて美瑠ちゃんはオレの手を取る。
普段のオレなら手が触れただけも真っ赤になって慌てるだろうけど、この空気に飲まれているせいか不思議と羞恥は感じられなかった。
性別は逆だろうけど、まるで騎士がお姫様にするみたいに軽く美瑠ちゃんの唇が手の甲に触れる。
――――忠誠の誓い。
友達である美瑠ちゃんにはそぐわないけど、そんな言葉がピッタリのように思えた。
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