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「ご、獄寺く」

「バカヤロ!!」

「えっ……」



正直…殴るかと、思った。でも…実際は違う。

獄寺君は―――美瑠ちゃんを抱き締めてた。

強く、友だち同士が喜びを表すような、そんな感じで。
美瑠ちゃんは突然の獄寺くんの抱擁にびっくりしているようで微動だにしなかった。



「何で黙って勝手にイタリアなんかに帰ってたんだよ!
帰るんだったらちゃんと言え!
オレらに何も言わずに……っ勝手に帰りやがって!!」

「隼人…」

「お前は何も悪くねぇんだ!!
だったら胸張って、ちゃんと帰ってくるからって言って帰れよ!バカ美瑠!!!」

「ご、ごめんなさい……」

「もう…っ心配させんなっ!」

「うんっ…」



きっとこう言ってくれることが嬉しかったんだろう。獄寺くんの優しい言葉が。
美瑠ちゃんは涙を流しながらぎゅっと獄寺君を抱きしめ返した。

…って泣いてるんだけど、美瑠ちゃん!………何か、嫌だ。

美瑠ちゃんが泣いて、抱きついてるなんて……


パァァァァンッッ!!



「獄寺、覚悟はいいか?」

「リッリボーンさん!」

「リボーン?」



銃声がしたと思えばさっきまでいなかったリボーンが垣根に座って獄寺くんめがけて銃を向けていた。

……というか煙出てるし!もう忠告もなんもあったもんじゃねー!

なんていえればいいけど、何分今のリボーンは機嫌が悪い。そりゃあもう、最悪だ。
自分の可愛い娘のように思っていた美瑠ちゃんが抱きしめられているんだから、当たり前だけど。

誰でもない、雲雀さん以外の男に。しかも獄寺くんだし。
…あれ?獄寺くんだから許せないってどういう原理だろう…?



「美瑠を泣かせるなんて……百万年早ぇんだよ。
(しかも美瑠を抱き締めるなんてな…)」

「すみませんでした!!」



美瑠ちゃんから光もびっくりするくらいの速さで離れて足を組んで座っているリボーンに土下座する。
けど、リボーンはまだ気がすまないのか殺気だって銃を向けていた。

美瑠ちゃんが慌てて言葉を選んでるけど……オ、オレが止めた方がいいっぽい…?
だって、美瑠ちゃんじゃ今は逆効果のような気がするし……



「リ、」

「早く行かないと遅刻だぜ?」



ヤバイのなーっと笑う山本に美瑠ちゃんがハッと慌てて腕時計を見やる。
途端に美瑠ちゃんは顔を青くしていくけど…オレ達のほうが血の気が引いていく。

だって…美瑠ちゃんなら雲雀さんは絶対に暴力を振るわないって保証があるけど、オレ達はむしろ嬉々としてあのトンファーでぼこ殴り決定だからー!



「あ、あと10分で学校始まっちゃう!」

「走れば間に合うんじゃねぇか?」

「急ごう!リボーン、また後でね!」

「あぁ」



いつも以上に死ぬ気で走っていく4人の後ろ姿を見て、リボーンはフッと笑みを漏らした。

久しぶりに見た、美瑠の弾けた笑顔。
あれが……本来の美瑠だ。オレが最も、大切にしたいと思う女。

忘れんなよ。ここが、お前の居場所なんだぞ……美瑠。



「…オレも行くか」



並盛高校へ。

そう呟くのと同時にリボーンの姿は跡形もなくその場から消えていた。

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