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玄関につくとまだ早かったのか、ツナはまだ来ていない。
何だか落ち着かなくて前髪を触っていると玄関があく気配がする。
誰かが来たのかな、とそちらに目を向けると…黒スーツ姿の、恭弥。
草壁さんも後ろからついてきていて、書類を手にしているところを見るとどうやら報告らしい。
私に気付くと恭弥は少しだけ目を細めて、私を見つめる。
「佐藤姫」
「お疲れさまです、雲雀さん」
「…何してるの、こんなところで」
「……ツナと、待ち合わせを…」
「ふぅん…」
何故か煮え切らない返事。
言わない方がよかったかな、なんて思っていると恭弥は玄関に設置しているソファーに座る。
「どこに行くの?」
「えっと…公園に散歩に行こうかと」
「へぇ、意外だな」
「雲雀さんはお散歩嫌いですか」
「いや、嫌いじゃないよ。人が群れていない公園ならね」
「…雲雀さんらしいです」
人が群れていないところ。それは昔から恭弥と一緒にいるときの条件。
あぁ変わらないな、なんて懐かしくなって、小さな笑みを浮かべる。
そんな私の顔を恭弥はじっと見つめていると「姫」と少し離れたところから呼ばれる。
「あ、ツナ…」
「…雲雀さん、お疲れさまです」
いつもよりラフな格好で立っているツナは恭弥に目を向けている。
恭弥はツナのあいさつに返すこともなく、黙って立ち上がると中へと歩き出した。
そんな恭弥の背中を見つめているとツナが「ごめん、待った?」と話しかける。
そんなツナの言葉に慌ててツナの方を見ると「今来たところ」と辛うじて返すことができた。
…私、無意識にツナより恭弥の方を見てた。ツナがいるのに。…私、無神経だ……
少しだけ自己嫌悪に陥っているとツナは少しだけ悲しげに目を伏せたかと思うとにこりと笑う。
「行こう!」
「…え、わ、」
ツナは私の手をとると引っ張られるように歩き出す。
その手の温もりに、並盛にいた時に恭弥を避けてくれた時のことを思い出した。
…あの時も、恭弥のことで自己嫌悪していた私をツナは手を引っ張ってくれた。
いつだって、ツナは恭弥のことで傷つけてしまう私のことを助けてくれる。
こんなにも身勝手な私のことを、…こうやって救い上げてくれる。
ぎゅっと手を握り返して、ツナの名前を呼ぶ。ツナは振り返ると「何?」と笑う。
「…サンドウィッチ、作ったよ」
「え!?うわー嬉しい…着いたら食べよう」
「うん」
成長のない私でごめんね、…そして、いつも包み込んでくれてありがとう。
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