1
「ふぁああ…」
――ズガンッ!!
「ひっ!?な…何すんだよ、リボーン!!」
ある昼下がり。
少しだけ温かい風がゆったりとカーテンを揺らすほど穏やかな気候にツナは思わず眠気を誘われていた。
一つの欠伸をこぼしていると突然部屋の隅から銃撃されて、慌ててそれを避ける。
突然の銃撃にさえ素早く避けているのだからさすがツナだと言える。
それでも驚くことには変わらないので、銃で撃ってきた本人、リボーンに文句を叫んでいた。
しかし、文句を言われたリボーンは一つも眉を動かすこともなく「うるせぇ」と一蹴する。
「…たく、平和ボケしてやがる」
「いいことじゃないか、平和ボケ」
「ダメツナが。ボスが平和ボケしてたらいざという時困んだろ」
「…う…」
「リボーンくん、あんまりツナをいじめないでください」
「姫、ツナを甘やかすな。…そうだ、いいこと考えたぞ」
にやぁ、といやぁな笑みを浮かべるリボーンくんに思わずツナが顔を青くする。
ボスになって数々の修羅場を乗り越え、滅多なことで動揺しなくなったツナ。
でも、生徒だったころの癖がまだ抜けないのだろう。
リボーンが嫌な笑みを浮かべるたびに嫌な予感がしてツナはげんなりしていた。
聞きたくない、とばかりに耳を塞ぐツナにリボーンは蹴りをいれると高らかに宣言した。
「ボンゴレ式武道会をするぞ!」
「「(うわぁ…、…死ななきゃいいなぁ…)」」
「姫、守護者全員集めさせろ。今すぐにだ」
「…はい…(もうリボーンくんを止められない…ごめん、みんな)」
守護者専用の携帯電話を取り出すとすぐにみんなに連絡を取る。
とりあえず、電話口で「面白そうだ」と笑う約2名が一番厄介なのは間違いない。
あぁもうとりあえず医療班の準備と設備が壊れた時用に工事の手配をしておかないと……
―――そして、数時間後。
「なんでヴァリアーにディーノさんまでいるんだよ!?」
「…どうやら聞きつけてこられたそうで…」
「こういうことだけ耳が早いよなぁ…」
「楽しそうなことしてるって聞いてさ♪王子、のけ者にされるとか嫌だしー」
「う゛お゛ぉい!さっさとおっぱじめようぜぇ!!」
やる気満々のベルさんとスクアーロさん、楽しそうだなぁ、と笑うディーノさん。
賑やかすぎる会場にどうしたものかと困っていると「んじゃ、トーナメント式でしていくぞ」と対戦表をリボーンが発表する。
名前を見ていくとなぜか私の名前まで入っている。
「リボーンくん、私の名前が、」
「当然だ、お前の腕が鈍ってても困るからな」
「は…はい…」
どうやら棄権という選択肢は存在しないらしい。
- 105 -
*前次#
ページ:
back
ALICE+