4.4



「佐藤さん!」

「…何?」

「あのさっ、これから佐藤さんのこと姫ちゃんって呼んでいいかな?」

「……え、」

「あ、嫌だったらいいんだけど!沢田くんって言われるのも慣れてないから俺もツナって呼ばれたいし、えーっとその、なんていうか…!」


俺いったい何が言いたいんだろう…!

結局あいまいなこと言ってしまっている自分が恥ずかしくなってきて、やっぱりなかったことに、と言おうとした瞬間、



「……姫でいいよ、…ツナ」

「へ……」



思わず間抜けな顔で間抜けな声。

信じられない、とばかりに俺は姫ちゃんを見つめているとほんの少し、ほんの少しだったけれど姫ちゃんはとっても綺麗な笑みを浮かべた。
まるで、初めて赤ちゃんがお母さんに会えて嬉しい、というようなくらい純粋な笑みを。





―――このとき、俺は初めて、姫に惹かれたんだ。


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