37.2



「…っ」



思わず息を飲んで再び紅茶を飲んでいた。

恭弥が……私から視線を逸らし、少しだけ照れていたから。

見間違えるはずがない。恭弥が照れると頬よりも耳が赤くなることは幼いころから知っていた。
そして照れていることを必死で隠すために不機嫌そうな顔をする。

今も同じように不機嫌そうな顔をして目線を逸らしているが、耳がうっすらと赤く染まっていた。

…うそ…恭弥が、照れるなんて……



「君さ…そういうこと、言わない方がいいよ」

「…申し訳ありません。軽率でした」

「うん、今度から気をつけなよ」



丁度良くメイドが恭弥のケーキと紅茶を持ってきてくれて少しだけ安心する。

あぁもう勘違いするところだった。昔に戻れたようで……
違う違う、と何度も心の中で言い聞かせて、ラズベリーのケーキをもう一口。


……同じもののはずなのに、先ほどより、甘酸っぱく感じた。



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