7.1



応接室から出て教室に戻るとすぐにツナが心配そうな顔をして駆け寄ってきてくれた。
ごめん、と何度も謝るツナに小さく首を振って大丈夫、と言うけどずっと申し訳なさそう。

…別に殴られたりとか酷いことされていないし、いつも応接室に行っているからそんなに申し訳なく感じる必要はないのに。
どうしたらそのことが伝わるのだろう、と思うのだけれどうまい言葉が見つからず結局何もいえなくて。

少し困っていると「どうしたんだ?」と不思議そうな顔をして近づいてきたのは山本武。



「実は朝、姫は俺を庇って応接室に行ってくれたんだ」

「雲雀んとこにか!?」

「うん、だから申し訳なくって…本当にごめんね!
女の子の姫を庇わないといけないのは俺のほうだったのに…」

「恭弥は幼馴染だから、平気だよ」

「幼馴染!?ていうかツナ、お前いつから佐藤とこんなに仲良くなったんだ?」

「「え」」



ずりぃぞ!と屈託なく笑われて私は何とも言えず、ツナは何故か少しだけぎこちなく笑っていた。

まぁ私と仲良くなったよ、なんて友達にいちいち報告は普通しないし、それが普通だと思うんだけどね。

俺のことは武でいいぜー俺も姫って呼ぶな、と満面の笑みでいわれてしまったのでなんだかくすぐったかったけど「うん」と頷くことができた。


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