8.4



「実はこのブレスレットはペアルックでございまして…どうされますか?」

「…もう片方見せて」



少々お待ちください、と言って店長が店の奥に引っ込み、数分すると小さなガラスケースに入ったブレスレットを持ってきてくれた。
なんとかっていう宝石で宝石言葉は…とか何とか店長が話していたけれどそれら一切を聞かずにそのブレスレットを見つめていた。
鎖のつくりは一緒だけど、宝石が黒曜石みたいに真っ黒で、その存在感をあらわしていた。

…まるでこのブレスレットは僕と姫のために作られたみたいだね。

ペアということはおそろいのものができるということ。…うん、悪くないね。
僕はあんまり装飾品は好まないけれど姫とおそろいならいいかもしれない。



「それももらうよ」

「ありがとうございます」



では、すぐに準備のほうをさせていただきますね。

そういって僕が何も言っていないのにブルーのブレスレットだけプレゼント包装しはじめた店長に「君、姫の誕生日プレゼントって知ってるの?」って聞きたくなったのだった。


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