12.3
恭弥の自慢である黒バイクの後ろにノーヘルで乗せられること約5分。
見慣れたお屋敷が見えてきて珍しいな、と軽く思いながら恭弥にしがみついていた。
あのお屋敷は恭弥の実家。和風のお屋敷はいつ見ても壮大でお庭が綺麗なのだけれど、恭弥はあまり私を家に呼びたがらない。
何故なのかはわからないが、恭弥の家に入るのはいつも決まって……―――あれ?
そういえば今日って何月何日だっけ。カレンダーとか見てないからわからないんだけど、もしかして今日って……
ちらり、と掠めた考えにまさか、と思いながら「でも、もしかしたら」という期待が広がって少しだけ嬉しくなってしまう。
これで勘違いだったら哀しいんだけど…もしかしたらそうかもしれない、なんて。
バイクから降りると玄関から入って恭弥のお部屋まで恭弥についていく。
途中途中で「おかえりなさいませ」とお手伝いさんたちが頭を下げていくのを見ながら恭弥は迷いなく自分の部屋まで歩いていった。
ひときわ大きな部屋の前までつくと恭弥が振り向いて、姫、と私の名前を呼ぶ。
「お誕生日、おめでとう」
「…ありがとう」
「へぇ、今年は覚えてたの?」
「ううん。さっきまで忘れてたけど、恭弥の家についたからもしかしたら、って思って」
「あぁ、なるほどね」
ふすまをあけるとお手伝いさんか草壁くんが用意してくれたのか豪勢なお料理とケーキが並んでいた。
毎年思うんだけど、このケーキナミモリーヌの特注品だよね……すっごくおいしいもの。
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