12.4



恭弥に促されて部屋に入りお料理やケーキが並んだ机の前に座る。
お昼ごはんにしては少し多いけれど、恭弥が用意してくれたものだから嬉しくていつも全部食べてしまうんだよね。

お誕生日おめでとう、と再び言ってもらえてふわり、と心が温かくなる。
ありがとう、と微笑むと恭弥はくしゃり、と頭をなでてくれた。

私の好きなものばかり並んだご飯を一緒に食べながら去年のことなどを話していく。
去年くれた本は面白かったよ、とか今年は草壁くんは一緒じゃないんだね、とか。
実は去年途中から草壁くんが来て三人でお祝いしてくれたんだ。



「姫、はいこれ」

「…あ」

「誕生日プレゼント」



懐かしいな、なんて意識を飛ばしていたら恭弥から小さな箱を渡される。
何だろう、と思ったけどプレゼントを毎年用意してくれることが嬉しくてありがとう、と言ってそれを受け取った。
綺麗にラッピングされたプレゼントを慎重にあけていくとそこには綺麗なブレスレットが入っていた。

ブレスレット…すごく綺麗。

その綺麗さに見惚れていると恭弥が珍しく「気に入ってくれた?」と聞いていたからこくこく、と必死に首を縦に振った。


嬉しい、すごく、うれしい。


きっとこれを選ぶのに時間をかけてくれたんだろう。恭弥はそういう人だ。
嬉しくて嬉しくて、ぎゅうとそれを握り締めてもう一度ありがとう、と呟くと恭弥は「どういたしまして」と優しく微笑んでくれた。



「…見て」

「あ………一緒…」

「うん、実はね」



ペアルックなんだって、と恭弥は黒の同じブレスレットを腕につけたまま見せてくれた。
恭弥と同じものがもてるなんて思ってなくて、さらに嬉しくなって私もブレスレットをつけてみる。

まるで私のために作ってくれたようにぴったりなブレスレット。
きらきらと光るそれに小さく笑みをもらして、恭弥に軽く見せてみる。

どうかな、と聞かずにただ見せてみると恭弥は少し照れたように笑って「うん、似合ってる」と言ってくれた。
それが少しだけ恥ずかしかったけど、嬉しさの方が上で「よかった」と笑ったのだった。


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