13.2



遅くなったけど誕生日おめでとう、と言ってもらえて「ありがとう」と返す。

恭弥や草壁くん、親以外の人におめでとうって言われたのは初めてだ……

それを思うとなんだか嬉しくて小さく微笑みながらそのブレスレットを撫でた。
そんな私の仕草に何故かツナは一瞬だけ悲しそうな顔をしたが本当に一瞬で。
次の瞬間にはいつもの笑顔になっていたから見間違いかな?と首をかしげた。



「姫」

「…恭弥」



呼ばれた方向を見ると教室のドアのところに恭弥が気配なく立っていた。
その瞬間に教室中がしんっと静かになったことに内心苦笑しながらも恭弥のところにいく。
おはよう、と挨拶すると恭弥の視線が私の左手首に向かい、少し嬉しそうに笑ったのだった。



「つけてくれてるんだ」

「…学校はダメ?」

「いいよ。僕が許可する」

「よかった」

「それに…」

「……あ」

「僕もだからね」



学ランで見えていなかったけれど、恭弥の左手首には確かに私と色違いのブレスレットがつけられていた。
恭弥もつけてくれているんだ…そう思ったら嬉しくて「風紀委員長なのにね」と笑ってしまった。

僕がルールだよ、とさらりと言って仕事を手伝ってほしいことを伝えられたのでバッグを持って恭弥の後をついていくことにした。

…その後の教室で、どんな空気が流れていたのかも知らず。







「…おそろい」



ある者は嫉妬で悔しそうに拳を握り。



「…どうして」



ある者はその仲のよさに自分が入る隙間がないことを嘆いていた。


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