14.4
また学校で見かけたときの嬉しさは言いようのないものだった。すぐに話しかけようと思った。――けど。
彼の横には必ずといっていいほど美人な女の子が立っていた。
その子が誰か私はすぐにわかった。…だって、同じクラスの子だったから。
何もしゃべらない、大人しくて少し不気味とも思える子。頭はすごくよくてこの前の新入生テストではダントツで一番だった。
彼、雲雀さんの隣にいるときもその表情が変わることはない。
淡々としていて、全然笑わない。…どういう関係なのか気になったけど、みんな知らなくてすぐにはわからなかった。
まさか、恋人?
そう思ってしまうほど雲雀さんとあの子はいつも一緒にいる。
…一つわかることはお互いがお互いを大切にしていることくらい。
雲雀さんは私に見せたあの笑顔とは比べ物にならないほど優しい笑顔をあの子に向けるし、あの子は無表情ながらも教室では閉ざしている口を開けて話していた。
失恋、と思っていた。…あの子が雲雀さんを「幼馴染」だと呼ぶまで、ずっと。
でも、まだ恋人同士ではなかった。
恐らくお互い恋愛感情を持っているし、恋人同士と言っても大して変わらないかもしれない。
それでもまだ「好き」とお互い言っていないのであればそれは付き合っていないし、…こちらを好きにさせる余地はあるということだ。
「諦めないよ…絶対」
今はその生ぬるい関係を続けていればいい。
そのままの関係を続けて……あの子は後悔すればいいんだ。
私は絶対、雲雀さんを諦めない。そして、絶対にふりむかせてみせる。
私のこの唯一の武器である「容姿」と「恋愛の経験」を生かして、絶対に。
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