16.1
姫が休んで3日が経とうとしている。
雲雀さんは相変わらず風紀のお仕事に没頭しているし、変わった様子は…あぁううん、なんだかいつもより苛々しているようには見える。
だからといって何か変わった行動をするかといわれたらそんなことなくて、いつもとしていることは変わらない。
姫がいないのに、変わらない雲雀さん。
…ということは、姫がいない理由を雲雀さんは知っているということなのだろうか。
教師からは説明のない空白の席を少しだけ寂しく見やりながらも俺は色々なことを考えた。
5日前(つまり金曜日)まで姫はまったく変わらない態度で学校生活を送っていたはずだ。
ということは、何かあったのは俺が知らない土日ということになる。
風邪をひいた、とかかな。
金曜日は少なくても元気だったけど、いきなり高熱が出たとか。
ううーん、とわからなくて昼休みまで頭を捻っていると「聞きゃあいいじゃねぇか」という高い声。
ハッとして声のした方に振り向いてみると何故か蓑虫の格好をして釣り下がっていたリボーンがいた。
お前また勝手に学校に忍び込んで…!
「ていうか聞くって誰に…」
「雲雀にだ」
「あぁなるほど…って何でリボーンがそんなこと言うんだよ!?」
それ以前に俺が姫のことを考えているなんて何で知ってるんだ!?
なんて思ったがこいつは読心術が使えることを思い出して勝手に心の声を読むな、と毒を吐いてみる。
そんな心の声だけは聞こえなかったように綺麗に無視してにやり、とリボーンは笑った。
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