17.2



その様子を横目で見ているとあちらから結構なスピードでバイクが迫ってきていた。
どうやらあのバイクは小さなその存在に気づいていないらしく、そのままのスピードで走ってきている。


――このままじゃあの子とぶつかる…!


そう思っていたときには僕の身体は走り出していて、その子を抱えていた。

まずい、思ったよりあのバイクスピードある…っ
このままじゃこの子まで巻きぞいになってしまう、と思ったらその子の背中をどんっと強く押していた。

子どもは何が起こっているのかわからずパニックになりながらも押されてその身体は歩道の隅まで行くことができた。
よかった、少しすりむいただけみたい…なんて見届けた瞬間僕の身体に衝撃が走る。
ドンなんて生ぬるいくらいの音を立てて僕の身体は吹き飛ばされて、強くそのまま道路に叩きつけられた。

キャー!という女性の悲鳴、慌てたような人々の声、子どもの泣き声…全てが僕から聞こえなくなってどこからか「雲雀さん!」という女の子の声が聞こえた。


…姫……どうしてだろうね、今、君の声が聞こえた気がしたよ……



最後に、会いたかった、な……



真っ赤に染まる自分の思考の中で見えた姫の笑顔を最後に僕の思考は途切れた。


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