17.3
「恭弥…?」
「どうしたの、姫」
アメリカで母の引越しのために家具などを選んでいるとふと恭弥に呼ばれたような気がして私は軽く周りを見渡す。
もちろん恭弥がいるはずもなく、周りには金髪や茶髪の外国人ばかり。
どうして恭弥の声が聞こえたように思えたのだろう……
何か嫌な予感がして眉を顰めていると母が「大丈夫?」と心配そうに顔を覗き込んできた。
あぁ、私の空耳でこんな心配させるなんていけない。
「…大丈夫。ごめん、変なこと言って」
そっちの棚の方がいいと思うよ、と白い棚を指差して買い物に集中する。
このときまさか恭弥の身に何か起こってるなんて考えなかった……
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