3.1



あれから数年…私は小学校を卒業して、自分の地域の公立中学校である並盛中学校に入学した。
中学生になった今でも社交性は皆無。自分に感情があることはわかっているけれどめったに表に出さない、とっても無愛想な子としてすごしている。
教室の中では孤立しているが、それを別に苦に思っていないので未だ自分から友達を作りにいこうとしていない。

でも、別に学校が楽しくないわけでもない。

うちのクラスは少し個性的で、最近何故か色んな意味で目立っている沢田綱吉や、可愛くて優秀なこの学校のアイドル北條由里、野球部でさわやか王子なんて密かに呼ばれている山本武などなど…見ていて飽きないメンバーなのだ。
最近の私の密かな楽しみとして、そんな個性的なクラスメイトを観察することだったり。
今日もまた、ダメツナと呼ばれていた沢田綱吉が何かやらかしたらしく、噂になっていたのを耳にした。
やっぱり面白い…彼への興味はまだまだつきそうにないな、と内心思いながら本を読んでいると煩かったはずの周りが水打ったように静かになる。

…あぁ、またか。



「姫」

「…恭弥。どうしたの?」



雲雀恭弥、私の幼馴染であり、この並中の風紀委員長でもある。
ただし、普通の委員長ではなく暴力と恐怖でこの学校の風紀を守っているというとんでもない子。
ただ、私は恭弥に一度も暴力をふられたことはないし、いまさら恐いなんて感情を恭弥に持つこともない。


むしろ……―――


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