19.2



―――――……


ざわつく空港に久しぶりに降り立った私はそのうるささに眉を顰めた。
確かにニューヨークも都会で騒がしかったけれど、こちらの煩さはどこか人々の余裕のなさが感じられて嫌だ。

母の生活も軌道に乗り始めたので私は当初の予定通り一週間で並盛に帰ってきた。


…早く恭弥に会いたいな。

不機嫌そうな顔をして「おかえり」と言う大好きな幼馴染のことを思い出しながら一人で笑いをこぼすと私はキャリーケースを転がす。

とりあえずタクシーで並中まで来ると私はキャリーバックのまま学校の中に入っていった。
もしかしたらこれだけで恭弥が飛んできちゃうかな…なんて思ったがどうやら見回りに行っているらしく来てくれなかった。
少しがっかりした気持ちをおさえながら教室に行くと先生はびっくりしていたし、教室のみんなもびっくりしていた。
なんでもないようにしてそのまま教室に入っていくと先生は戸惑いながらも授業を進めていく。
その説明を聞き流しながら席に座ると近くに座っていたツナが私に話しかけてくれた。




「久しぶり!姫ちゃん」

「久しぶり」

「びっくりしたよ、突然帰ってきて」




そのコメントに苦笑しながらも筆記用具も出さずにただグラウンドを見つめていた。

恭弥がきたらすぐに駆け出せるように……

それでも恭弥の姿はいつまでたっても見つけることができなくて、もしかして屋上にいるのかな、なんて思って授業が終わって屋上に行ってみたがいなくて。
恭弥のお気に入りの場所すべて回ってみたがどこにも姿は見えない。
応接室の前までいくとちょうど草壁君がそこに立っていて、慌てて彼は私に駆け寄った。




「草壁君!」

「…!姫さん!!一体今までどちらに…!?」




ずっと私が休んでいたことは知っていたが、恐らくその理由までは知らなかったのだろう。(だって恭弥にしか言っていないし)
驚いたように目を見開く草壁君にその答えを簡潔につむぎだす。




「アメリカ」

「アメリカ!?またどうして…」

「それはまた今度話すね。恭弥は?」




早く恭弥に会いたい一心でどこにいるのか聞いてみると草壁君は何故かとても困ったような、悲しそうな顔をする。


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