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あれから数年と数カ月が過ぎた…もうすぐクリスマスという時期。
俺たちはいつの間にか中学3年生になっていて、みんなそれぞれの道を選ぼうとしていた。
ただ、俺はまだ全然決まってなくて、高校もどこに行こうか迷っているし、ていうか俺高校に行けるのか!?って方が心配というか…まぁまだ進路決定はしていない。
みんなほとんど近くの並盛高校への進学を考えているみたいだから、多分俺もそうなるんだろうな。
姫は頭がいいからもしかしたら少し遠い頭のいい高校に行くかもしれないけれど……
そう思いながら隣にいる姫の様子をちらり、と見やる。
今年はクリスマスパーティーをみんなでしようと話している中で姫も最初に比べて少しだけ笑ってくれるようになり、今も俺たちの隣で笑ってくれている。
…あれから雲雀さんと姫は一度も会っていないし、話してもいないようだ。
少しずつだけど姫の世界の中に俺たちも入ってきているように思う。
「クリスマスパーティー楽しみだね!」
「うん」
「今年はどんなプレゼント買おうかな〜」
「私も迷い中」
「だよね」
今年はリボーンもおとなしくしてくれるといいけど。
うーん…それはないと思う。
なんてそんな他愛のないことを話しながら少し雪がちらつく帰り道を一緒に歩く。
寒いね、なんて言いながら二人で帰るときの雰囲気はどこか優しくて、穏やか。
こんな時間がずっと続けばいい、なんて思いながら姫の家につくとそのまま見送る。
「ありがとう。また明日ね」
「うん!じゃあまた明日」
ばいばい、と手を振って姫が家に入っていくのを見送ると寒っ!とつぶやいて俺も帰路につく。
いや、つこうとしたんだ。
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