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白い雪に紛れて俺の目の前に立ったのは恩師であり、仲間であるリボーン。

白い雪の中、黒いスーツはやけに目立って、…どこか、緊張して、俺をまっすぐ見上げるリボーンに俺もまっすぐに見つめて足を止める。
二人しかいないこの空間で、なぜかいつものように軽口を叩ける雰囲気じゃなかった。

何かある。しかも、かなり大切な何かが。

そう察することができて、無意識のうちに俺の体は緊張で硬くなっていた。



「正式に決まった。…ツナ、お前は中学を卒業と同時にボンゴレ]代目を継ぐ。
守護者たちも同様。中学を卒業と同時に一緒にイタリアに行ってもらう」



一つ、大きな風が俺とリボーンの間を通り抜ける。

…いつか言われると思っていた。9代目はずっと俺に継がせたいと言っていたし、父さんもそれらしきことを口にすることが多かった。
様々な敵に遭遇してきたけど、そのたびに乗り越えて、今の生活がある。

それに…中学卒業は俺にとって一つの節目。…10代目を継ぐという予感が少しだけしていた。

でも、それに気付かないふりをしていた。10代目なんかになりたくないって思っていたから。


でも、もう……それは、できない。

きっと俺が断っても10代目になることはずっと前から決まっていたんだから。
それ以上は何も言わないリボーンに俺もしばらくは何も言えなかった。

10代目になる覚悟はとっくの昔にしている。…けど。



「…連れて行けるのは、守護者だけなの?」

「……姫のことか?」



さすが、というべきか。何年もだてに一緒にいるわけじゃない。

無表情を崩さないリボーンに小さく頷くと、リボーンは軽くボルサーノのつばを下げた。



「今の姫は連れていけねぇ」

「どうしてだよ!?」

「覚悟がないからだ。あいつに…イタリアでマフィアとして生きる、覚悟が」

「………」

「だから、お前がけじめつけろ」



ずん、と重くのしかかった言葉。ケジメをつける。

その言葉の意味はたった一つしかない。でも…その勇気が俺にあるのか?


ぎゅっと強くこぶしを握り締めるとリボーンはいつの間にか姿を消していた。



「―――俺は…」



姫と一緒にいたい。あの時から、ずっと…姫を支えたいと思ってきた。


だから………―――


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