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「なら、今日が初めて爆笑する日になるかもしれねーぞ」

「…リボーンくん」

「まだツナが終わってねぇんだ。ツナを見てから諦めろ」



説得することを諦めたのか、姫は前に立っている俺を困ったままの顔で見上げた。
がんばれよ、ツナ!と応援の声が聞こえてきて、なんだか緊張したが姫の顔を見ているとなんだか俺が笑ってしまいそうになった。

そんなに困った顔をしなくても、いいのに。
爆笑しなくてもいいんだ。ただ、いつもみたいに小さく笑ってくれれば。

死ぬ気で笑わせる!そう思って息を吸い込んだ瞬間、



「ケーキ持ってきたわよー!」



―――母さん…なんてタイミングで入ってくるんだよ…!!


がくっと思わずうなだれるとリボーンは飽きたのか、それともケーキに興味が移ったのか(あるいは両方か)「ママン、エスプレッソ」とちゃっかり母さんにコーヒーを頼んでいた。
他のみんなも「ケーキだー!」と嬉しそうにケーキに群がっていって、ぽつん、と俺だけ残される。

何なんだよもう…!俺の意気込みはどうすればいいんだよ!?

なんだかいたたまれない俺がうなだれていると「くすくす」という小さな笑い声。
え?とうなだれていた視線を前にあげると楽しそうに笑う姫の姿が。

いつものような小さな笑みじゃない。…笑いを少しだけこらえるような、そんな笑顔。

あ、笑ってる、と思ったら段々嬉しくなっていって、俺まで笑ってしまっていた。



「どんまい、ツナ」

「ホントだよ、もう!」

「ケーキ、食べよう?」

「うんっ!」



母さんが切ってくれたケーキですでに「おれっちこの一番大きなやつがいい!」「うぜぇ」「ぴぎゃ!」なんて喧嘩が勃発しているけれど、手作りのケーキは今までで一番おいしく感じた気がした。

みんなで食べたショートケーキの味は俺の中で姫の笑顔と一緒に人生一番の思い出になった。

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