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「あ、ここにいたのか!…って、あれ?姫?」

「ツナ」

「どうして姫もここに?」

「姫はオレのティータイムの相手だぞ」

「おまっ!知らない間に姫と…!」

「うらやましかったら自分で誘え。…で、なんでオレを探してた?」

「あぁ、そうだった!ディーノさんがお前を探してたぞ!お前が呼びつけたのにいないって」

「そうだったな。…姫、コーヒーうまかった。またよろしくな」

「うん。いつでも」



ちゃお!と短い挨拶とともに瞬く間にいなくなったリボーンくん。

その場に残ったのは私とツナだけ。

ったくあいつは、なんて呟くツナの隣で帰る準備をしていると、ふいにツナが黙り込む。
どうしたのだろう、とツナを見上げるとツナが何やら目を泳がせて困っていた。

…?何か困るようなことがあっただろうか?



「あ…あの、さ…、姫、これから時間ある…?」

「うん」

「じゃあ…!一緒に…その、ケーキとか、食べない、かな〜って…」



いや、いやならいいんだけど!と慌てるツナにきょとりとしたが、…とりあえずこれはデートのお誘いということでいいのだろうか。

どうやらツナは私に勇気をもって言い出してくれたらしい。
未だに挙動不審なツナを見ていると、なんだか可愛くて、じんわりと心が温まる。

こんなに自分のことを大切にしてくれる人、いない。



「行こう、ケーキ」

「え…」

「ちょうど、甘いものが食べたかったの」

「〜〜っ!う、うん!行こう!」



ナミモリーヌのオレンジケーキがおいしいって京子ちゃんが言ってたんだ!と笑うツナに安心しながら私も一緒に歩き始める。
イタリア語の練習しながら歩く?と提案すると「リボーン並にスパルタ…!」と言われてしまい、小さく苦笑した。

どうやら勉強しながら歩くのはお気に召さないようだ。

残念、と肩をすくめると、ツナが「早く行こう!」と私の手を握って走り出す。
あまりにも自然なしぐさで、何も言えなかったが…恭弥以外の異性と手をつなぐなんて初めてで。
走りながらツナの耳が少しだけ赤くなっているのを見ると、再び胸が温かくなるのを感じる。


あぁ、なんて、温かい手なんだろう……

ぎゅっとツナの手を握り返して、その温もりをじんわりと感じながら走り続けた。


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