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「…はっ…はぁっ…」

「…っ、走りすぎた、ね…」

「う、うん…意外と疲れた…」

「…ここからは歩こう」

「そう、だね…」



ていうかなんで走ったんだろう?なんて話しながらナミモリーヌに向かってゆっくり歩く。
…もちろん、手は繋いだまま。

くすぐったいけど、どうしてかこの温もりを手放したくなかった。

そのままツナと話しながら歩いていると、一瞬だけツナがぎゅっと手を強く握りしめたのがわかった。
その強さに少しだけ違和感を感じて「ツナ?」と首を傾げるとツナがどこかを見ていたことに気付く。

一体何が、とそちらに目を向ければ…恭弥が由里と一緒に歩いているのが見えた。



「…っ」



反射的、だった。

反射的に、私はツナから手を離し、二人から目をそらしていた。


…でも、一瞬にして間違えたことに気付く。

ハッとしてツナの方を見るとツナはとても悲しそうな目で私を見つめていた。

私…っ、ツナを傷つけた…!



「…っ、ごめ…」

「――っ、こっち!」



ツナは再び私の手を握って、恭弥と由里が見えないところまで走ってくれる。
走りながら、私の中には罪悪感と…自己嫌悪感がもやもやと心を占めていく。

どうして私の心は、こんなにも恭弥のことを考えてしまうのだろう……
ツナのことを大切にしたいのに。ツナのことを、好きになりたいのに。

ツナを…傷つけたくはないのに。

はぁはぁ、と再び息があがってきたころ、ツナがゆっくりと足を止める。
振り向かない、…でも、手を繋いだままのツナに私はなんと声をかけていいかわからなかった。

言い訳も、謝罪も、ツナを傷つけるだけだとわかっているから。



「…ここなら、来ないよ」

「………」

「やっぱり、目の前で見せつけられると辛い、な……
姫が、雲雀さんのこと忘れられないってわかっていても…それを受け止めようって覚悟していても…」

「…っ、ツナ、」

「でも!…でも、それでも…姫のこと、嫌いになれないんだ」

「……っ」

「ごめん。姫のこと、待つって言ったのに…こんなかっこ悪いとこ見せて」



ぶんぶん、と頭を横に振って必死で違うと伝える。

ツナがかっこ悪いだなんて、思わない。私の方が悪いのに……


こんな私で、本当にごめんね……――

そう心の中で何度も謝った。


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