4.2



佐藤さんはすでに帰る用意はできているらしく、かばんを持って入り口のところに寄りかかって俺を待っていてくれた。
ごめん、と謝れば別に待ってないから大丈夫、という答えが返ってきて、やっぱり何か引っかかるものを感じる。

佐藤さんって…俺が想像していたより、もしかして優しい…?

雲雀さんの知り合いだからてっきり唯我独尊、誰の指図も受けない、みたいな人だと思っていたのに。
先に面倒な先生たちへのあいさつ回りなどしてくれてるし、よく考えたらそんなに悪い子じゃないのかもしれない。

すたすたと無言で黙々と歩いていく彼女をちらりと見ながらそんなことを思った。

花壇につくと近くにあったホースを引っ張ってきてくれてそのまま彼女が水遣りをしようとしていたので慌てて代わる。
なんか佐藤さんに水遣りをさせるなんてできないというか…!
佐藤さんは最初不思議そうに首を傾げたけれど「ありがとう」って言ってホースを渡してくれた。

うん、やっぱり思ってたほど悪い子じゃない気がする。



「…(けどやっぱりしゃべらない!)…あ、あのさ!」

「…?」

「佐藤さんって、雲雀さんと…その、どういう関係なの?」



よく一緒にいるよね、と言葉を続けると佐藤さんは少しだけ困ったような表情を浮かべたがすぐに無表情に戻る。

なんだか自分でもこの関係がよくわからなくて困っているような……

その表情に一瞬だけ気をとられていたのが悪かったのかホースから手が少しだけ離れて案の定、



「うわっ!!」



俺の顔にべしゃりと水がかかってしまった。


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