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どうやら今度輸入、販売するワインのことらしい。

今年はワインの出来がよいこと、値段が少し張りそうなこと、利益のことについて書かれていた。
確かにこのワインは貴重で、普通のワインより高くなることはわかっていたが…何やら足元を見られているような気がしてならない。
ざっと読んでいても、少し交渉すればもう少しワインを安くできそうな気がするのだ。

…どうしよう。このままでもきっと9代目はサインするだろう。
でも、利益をあげる可能性があるのに、それを進言しないのは不誠実というもの。
わかってはいるが、こんな若輩者が進言していいものか……

この書類を作り上げるのに、何百という人が関わっているはず。…その人たちの努力を無駄にする行為ではないだろうか。


“黙っているのは簡単だ。でも、それは二流の奴がすることだ”



「…っ」



いつだったか、恭弥が言った言葉が頭をかすめる。
黙っているのは簡単。でも、それでは進まない、と。進むためには、勇気を出すことだと。

――こんなとき、恭弥は何の迷いもなく、口を出すのだろうな。

そんなことが容易に想像できて、小さな笑みを浮かべる。



「…ダメ元上等、か」



言ってみるだけ、言ってみよう。

そう決心すると私は早速、ワインをもっと安くする手立てとその利益について話す用意を始める。
しばらくそのことに集中していると、コンコン、と誰かにノックされる。

私の部屋に来る人は少ない。…いったい誰だろう?

はい、と返事をすると「ちゃおっス」という声とともに入ってきたリボーンくん。
ふわりと香るコーヒーと香水の香りに少しだけ安心する。



「どうだ、仕事は順調か」

「えぇ。…ツナたちは元気?」

「あぁ、初めて来たイタリアの地に遊びほうけてる」

「そっか。楽しそうで何よりです」

「よくねぇ。…ったく、お前を見習わせたいぞ。明日からはしごかねぇとな」



やれやれと肩をすくめるリボーン君に小さく苦笑するとエスプレッソを淹れるための準備を始める。
リボーンくんが来たときは必ずといっていいほど、エスプレッソを淹れる。

…あ、しまった。甘いものがきれている。今度クッキーとか買っておかないと。

そんなことを考えていると再び誰かが私の部屋を訪れる。

今日はお客さんが多いな、なんて思いながらドアを開けると、そこにはツナや山本君、獄寺くんの姿が。
え、とびっくりしていると「お土産」とケーキを渡された。


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