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次のアポもあったので、ディーノさまと別れて次の場所へと車に乗って向かう。
途中で獄寺くんとも合流する予定だ。
外の景色を眺めながら次のアポのことを考えていると、
「…雲雀さん」
「…!」
「由里と一緒じゃなくて、よかったね」
「……、」
「って、姫はそんなこと思わないか。ごめん」
「ううん。…だから、ちゃんと話せたと思う」
ツナの言葉に、今さらながら恭弥のことを考える。
…前の私だったら恭弥に会っただけで恭弥のことでいっぱいだっただろう。
でも、今の私はツナに言われるまで恭弥のことを考えなかったし、以前の心の痛みも薄れてきた。
こうやって恭弥のことを忘れていくのかな、…なんて思った。
恭弥のことを忘れるという事実が、少しだけ寂しく感じた……
「…辛く、ない?」
「うん…大丈夫」
きっと、私の寂しさが伝わってしまったのだろう。
ツナは優しく私の手を握ってくれる。…その視線は外に向けたまま。
その温かさが心に染みて、…そっとツナの横顔を見つめる。
こうして、ツナが私の心を包み込んでくれるから…私は甘えてしまうんだろうな。
包み込むようなツナの少し大きな手を私もそっと握り返して、獄寺君と合流するまで手を繋ぎ続けた。
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