2
「〜〜〜っ聖かわいいっ」
リナリーにぎゅっと抱きつかれると、聖も照れたように仄かに頬を染めてぎこちなくリナリーの背に手をまわした。
周りからすると美少女二人がいて目の保養のはずなのだが、如何せんリナリーが「羨ましいでしょ」とばかり勝ち誇った笑みを浮かべているのだから微妙な気持ちになったとか。
そんな中、コムイがにこにこ笑いながら現れる。
「本当にかわいいね〜初めまして、聖ちゃん。ここの室長のコムイ・リーです。
いやーあの元帥の弟子がこんなにかわいい子だったなんて!リナリーと同じぐらいかわいー!」
「初めまして。海神聖です。よろしくお願いします、コムイさん」
笑顔を崩さず握手を求めようと手をだすと、
「かわいい――!!」
コムイもリナリーのように抱きつこうとした。…が、リナリーと違ってコムイは男性。
周りにいた人間が許すはずがなく、コムイに容赦ない制裁が襲う。
――もちろんやったのはリナリーと神田、リーバーに元帥だ。
「今、何しようとしたの?兄さん」
「コムイ…よほど死にたいようだな…」
「なに抱きつこうとしてんスか!この巻き毛室長!」
「コムイ、ふざけるのもいい加減にしろ。さっさとヘブラスカの所に連れていけ」
元帥が一度蹴飛ばしたコムイをもう一度軽く蹴る。
あ、あの…コムイさんって室長、ですよね?
みなさん扱い悪すぎじゃないですか…?
聖がそんな心配をしているとコムイは蹴られたところを痛そうにさすりながら立ち上がった。
「うう…わかってますよー…じゃ、いこっか」
「はい。あ、神田さん!」
もう関係ないとばかりさっさと出て行こうとした神田を呼び止める。
いつもなら足をとめない神田だが、なぜか足を止めてゆっくり振り向いた。
…表情はいつものように不機嫌そうだったが。
「…なんだよ」
「自己紹介が遅れました。海神聖です。
ここまで連れてきてくださってありがとうございました。
それと、感情に流され神田さんに武器を向けてしまって申し訳ありません。
これからよろしくおねがいします」
ゆっくりと、しかし綺麗にかつ優雅にお辞儀をする。
その仕草から育ちの良さと気品さえ感じられる。
しかしそんな聖に神田がどんな言葉をかけるのか科学班は固唾をのんだ。
いつもの神田なら無視するか皮肉を言うだろう。
来たばかりの聖は女の子。神田の態度に傷つかないかと冷や冷やしていた。
だがその心配は杞憂に終わる。
「…気にするな。よろしく」
『…っ!??』
あの神田がよろしくって言った!!
神田と聖以外のみんなの心が一つになった瞬間だった。
そんなみんなの心情を知ることのない聖は純粋に嬉しそうに笑った。
- 11 -
*前次#
ページ:
ALICE+