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フードのせいか、あるいは門番のアウトの声のせいか。
自分でもわかる無遠慮な好奇の目に曝されながらも初めて入る黒の教団の中を神田と一緒に歩いていく。
しばらく複雑な階段をあがって廊下を歩けば大きな扉の―――司令室にたどり着いた。
ここに黒の教団最高責任者が…と聖が考えている間にノックもせず神田は乱暴に扉をあけ放った。
「おいコムイ、つれて…」
「聖!」
ノックなしに開けていいのか、と内心ハラハラな聖を無視するようにドアを開けた瞬間、神田の横を凄い速さですり抜けた女性が一人。
その女性の名はクラウド・ナイン元帥。聖の師匠に当たる人だった。
元帥は神田には目もくれず聖に思いっきり抱きつく。
聖は嬉しそうに顔をほころばせたが、公然と抱きしめられたことに恥ずかしさも感じたのかフードの下で少しだけ顔を赤くした。
「し、師匠…!」
いきなり抱きつかれたからか、元帥の抱きつきの衝撃が大きかったからか。…恐らく後者だろう。
聖の顔をすっぽりと隠していたフードが音を立てて滑り落ちる。
その時、時間が止まったようにみんな顔を赤くして固まった。
透き通った雪のような白い肌によく映える金色の髪。
その容姿はさながらフランス人形を思わせた。
あの鉄面皮神田でさえその整った容姿に微かに顔を赤くする。
「会いたかった。ケガはないか?」
「はい。お久しぶりです、師匠」
「そうだな。…コムイ、何固まっているんだ。聖がいくら可愛いからって惚れるなよ」
「師匠、私は人並みの容姿ですから…」
『(いや!こんな美人いない!)』
ダメ、と言いながら聖をぎゅっと抱き締める元帥の声に最初にはっと気をもどしたのはリナリー。
同じ年くらいの女の子、というのは教団では数少ない。
その数少ない女の子が入って嬉しかったことの方が大きかったのだろう。
嬉しそうに笑って、年頃の女の子らしく華やかに喜びを露にする。
「かわいい!聖ちゃん!」
「リナリーさんの方が美人で素敵です。
ごめんなさい。フード取らなくて。失礼でしたね」
「気にしないで。それにリナリーって呼んで!私も聖って呼んでいい?」
「もちろんです」
「敬語もなしでいいわ!」
「うん。でも時々くせで戻っちゃうかも…」
「気にしないわよ…!よろしくね」
「よろしくリナリー」
花が綻ぶような笑顔を見せ握手する(美)少女達。
その様子は目の保養にならないはずがなく、周りの人間の反応は様々。
いいねぇ、目の保養だねぇ、とばかりにほのぼのする人。
可愛いー…と鼻の下を伸ばしながら二人を見つめる人。
あからさまに「萌えー!」と叫び、騒ぐ人。
それでも二人は気にすることなく微笑みあった。
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