「任務…ですか」


ここは黒の教団司令室。

相変わらず足の踏み場もない部屋にぽつんと座っているのは、昨日入団したばかりの聖。
戸惑っている聖にコムイは申し訳なさそうに笑った。



「うん…ごめんね。入団した次の日に任務させちゃって…」

「いえ、いいんですよ。慣れてますから。私一人ですよね?」

「そのことなんだけど…」


さらに申し訳なさそうな顔をするコムイに聖は首を傾げる。
するとバンッという荒々しい音を立ててドアが開かれ、二人の視線は後ろへと向かった。



「コムイ、任務か?」



ノック、挨拶など天下独尊の神田には必要ないもののようだ。
コムイは慣れているというに荒々しく入ってくる神田ににこっと笑いかけた。



「さすが神田くん。はい、座って」

「ああ…、…お前」



ソファーに座ろうとした神田は先に座っていた聖にようやく気づく。
聖も視線に気づいたのか少し微笑んで小さくお辞儀した。



「おはようございます。神田さん」


にこやかにあいさつする聖に照れつつも態度は変わらない。
一応あぁ、と返してソファに近寄った。

どかっと聖の横に座るとリーバーから資料を受け取る。



「今回は2人で行ってもらうよ」

「待ってください、コムイさん。私一人じゃないと…」


バレてしまう。自分の本当の姿が。
よりにもよって一番知られたくない人物に。

聖の言いたいことがわかったのかコムイは小さくうなずいた。



「うん。クラウド元帥から聞いているよ。
でも初任務を一人で行かせるのは危険だし、ここも2人じゃないと危険な場所なんだ」


聖には分かっていた。
-----いつかペアで行く任務があるということを。
そして、それは仕方のないことで、任務を言い渡されたら逆らうことはできないことも。

でも…まさかこんなに早く……



「…わかりました」

「ごめんね。じゃあ説明したらすぐに出発して。
フランスでアクマが大量発生している。たぶん、イノセンスを狙ってだ。
詳しいことは資料を見てね。
あとこれ聖ちゃんの団服。これきて行ってね」

「はい。ありがとうございます」

「いくぞ」


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