「…ここなら邪魔されませんね」



さっきまで聖が戦っていた森まで戻ってくる。

しかし、すぐには二人とも戦闘を始めなかった。
…ずっと、気になっていたことがあったから。

聖は初めてアクマに質問した。


------なぜ私をねらうのか、と。



「伯爵様があなた様をほしがっておられるからです」

「…どうしてです?私はエクソシスト。あなた方の敵ですよ?」

「あなたさまは世界の鍵だと伯爵様が仰っていました」

「…なるほど。伯爵は私が鍵だということご存じなのね…」


なら、なおさらついて行くわけにはいかない。


「私は無駄な戦いはしたくありません。伯爵に伝えて下さい。
私はそちらにつく気も…鍵を渡す気もありませんと」

「…そうでございますか。なら力ずくでも…」

「おやめなさい。私はあなたに伝言を頼んだのです」


絶対的な、威厳のあふれる声。
決して逆らってはいけないと錯覚させられるような……

アクマはノアの一族とは違う何か別のものを感じた。

(同時に、面白いとも思った)



「…では今回はひきます。ですが最後には必ずあなたを迎えにあがります」

「ですから行かないと言っています」


聖が困ったようにはぁっとため息をつくと、ふふっとアクマは笑う。

伯爵様が喉から手が出るほど欲しがっている人物が一体どんな人間かと思えば、仲間には滅法弱く…切り捨てることもできないほど優しい人でありながら、絶対的な…強い者の風格をまとっている。
何とも興味深い、とアクマは心の中だけで呟いた。



「では、またいつか」


恭しくお辞儀をし、レベル3のアクマは闇に紛れる。


「そうでした。アクマは置いていきますね…」

「…!!ユウ!」


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