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「ちっ」
何だこのアクマの多さは…と神田はその鬱陶しさに眉を顰める。
レベル1ばかりだったが数がありえないほど多い。
しかもあの新人どこ行きやがったんだ!レベル3に一人で戦いやがって!!
苛々はつもっていくばかり。
数もなかなか減らない上にレベル2まで混じっている。
さっきも戦闘があったばかりだったので、当然息も上がってきた。
そしてあの新人のことも気になってしょうがなかった。
「(くそっ)」
一瞬のすきだった。
その隙を見逃さずアクマは神田の背後をとっていた。
「終わりだぁー!!!!」
「(やべぇ!)」
死んでも死なない体と言えど、…いつ朽ちるかもわからない体。
受け身の体勢をとった瞬間、凛とした声が響き渡る。
「蒼桜、紅朱長剣!第2解放―――雷剣!!」
ばりっ!!という大きな音と共に破壊されるアクマ。
空から落ちる大きな雷で、アクマはほぼ全滅してしまう。
明らかにその雷は人工的に落とされたもの。
そして、それほど大きな雷を落とせる人間はかなりの強者だといえる。
「!?誰だ!?」
術の声のする方を神田は鋭く振り向いた。
すると黒く艶やかで長い髪がなびき、深い闇のような漆黒の瞳と目が合う。
その顔立ちはそう…かつての初恋の人と一緒だった。
「鈴…?」
久々にその名を口にした。
幼い頃、たった数週間しか一緒にいれなかったけど好きになった人。
いつの間にか姿を消していてその気持ちは伝えられなかった―――
「ユウ…お久しぶり、ですね」
前より少し声が大人っぽくなっているが、懐かしい声だった。
間違いない。間違えるはずない……あの人と同じほど…心を震わせた人なのだから。
「鈴なんだな…?どうしてお前ここに…それに…」
なんであの時姿を消した…?
聞きたいことは山ほどある。
今何してるんだ、とか、何故ここにいるんだ、とか、アクマを倒せたということはエクソシストなのか、とか。
でもいざ目の前にすると何も言えなくなる―――
「…答えはいずれ出ます。
そして…あの時、黙って消えてしまって、ごめんなさい。
それだけは…ちゃんと謝りたかったから……」
哀しそうに微笑む少女。
その笑みはどこか自分の胸を苦しく締め付けて、言葉を失わせる。
どうしてそんなに哀しそうに笑うんだ…?それに……
「お前…エクソシストだったのか…?」
「…いつか、きっと…わかります。だからその日まで…さようなら……」
ふわっと空を舞う髪。
神田が引き留めようと体を浮かせたが、鈴の姿はなかった―――
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