あなたとの終わりを夢見る。



「来年も行こうね」




そんなツナの言葉に私は曖昧に笑うことしかできなかった。

…優しい、優しいツナ。

普段はちょっとダメダメだけど、いざというときは仲間のためにがんばれるとても強い人。
そんな強さに惹かれて私はツナに告白した。
最初は私のこと全然女として見てなかったツナはびっくりしていたけど「今から知って姫を好きになる」と言って付き合うことになった。

…ツナに好きになってほしくてすごくがんばった。
メールするにも今忙しいかも、とか考えてメールできなかったり、ツナが「ショートの方が好み」って言ったからずっと伸ばしていた髪をショートにしたり。
暗い色の服が好きだったけどツナはふわふわの柔らかい色の服をきた女の子が好きって聞いて服を全部そんな色にしてみたり。
本当に、色々した。
…全てはツナに好きになってほしくて。

その気持ちが伝わったのか、ツナは私のことを好きになってくれて、どんどん私に愛情を向けてくれるようになった。




「好きだよ」

「会いたい」

「一緒にいたい」




そんな相思相愛に、幸せを感じてた。


…けど。

どうしてだろう。
いつからかツナと会うことが面倒になった。

会いたい、とメールが来てもごめん、用事があるから、と避けるようになった。
あんなに会いたい、という言葉が嬉しかったのに、今はすごく重たく感じる。

…会いたくない。

その気持ちは紛れもなく、恋心が冷めた証拠だった。

その気持ちに気づいてから、私はツナに別れを告げることばかりを考え始めた。
…けど、自分から終わらせる勇気のない自分。




「…姫?」

「………あ…うん、何?」

「さっきからぼぉっとしてる。…あんまりオレをほったらかしにするとオレ、拗ねるよ」

「…あは、ごめん。でも、ツナ拗ねても変わんないじゃん」

「いや、変わるって!もしかしたらやけ酒とかするかも」

「………うん」

「いやいや、やけ酒とかオレにさせないでよ?」




ずしり、とその言葉が胸に刺さる。
…それって、別れるとか言わないでって暗に言ってるの?

そう考えてしまった自分と、そう思わせたツナに私は笑うしかできなかった。


―――ねぇ、ツナ。



あなたは気づいてるんでしょう?
私にもう気持ちがないこと。

どうして、何も言わないの?

…私が、別れたいって言いづらいこと、気づいてるんでしょ。

ねぇ、お願い。

私から別れを切り出させないで。
私が別れを切り出したら…あなたはきっと傷ついて、傷ついて…お酒に溺れたり暴飲暴食をし始める。
…それは前にあなたが前の彼女にフラれたときになった状態。
そんな状態にさせたくない、と思うのは一時でもあなたを好きになった女として当たり前でしょう。


ねぇ、ツナ。


早く、早く、私をふって。

あなたがふっても私はあなたのことを悪く言うつもりはないから。

ねぇ、ツナ。




「…もう、終わりにしたい」




そっと呟いた言葉は誰にも届かず、闇夜に溶けていった。



あなたとの終わりを夢見る。

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