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イケメンで、頭もよくて、スポーツだってできる。
みんなこれだけ聞いたら「完璧じゃない!」というかもしれない。
けど、忘れちゃいけない。
人は顔じゃない。性格が一番重視されるべきだと。
そう思ったら、奴は完全に残念な人間の部類に入ると思うのだ。
「おはよ、姫」
「…げ、ツナ」
「“げ”?」
「わあーいツナに会えて嬉しいな!」
そうだよな、とにっこり笑うツナに「誰が嬉しいとか思うかー!」と思うが、そんなの怖くて口に出すことができない。
うふふ、と不自然な笑みを浮かべて誤魔化したが内心逃げたくてしょうがない。
−−−沢田綱吉。
並盛高校一のイケメンと言っても過言じゃないほどの美形。
それに止まらず成績優秀、スポーツ万能、そりゃあもうモテモテのモテ男だ。
私も会った当時はミーハー精神丸出しでかっこいい!って思ってた。
けど!!!
いやいや、しゃべってみたらどこぞの王様だよ、ってくらいわがままだし、俺様だし、黒いし、怖いし!
彼女になれたらなーとか思ってた自分をぶん殴りたいくらいだ。
…たまーに、ごくたまーに優しいときがあるけど、何か計算にしか思えない。飴と鞭的な!
今も一緒に学校に向かっているが、もう離れたくて仕方ない。
ツナは何故かどこかご機嫌そうに歩いているが、私にとってご機嫌なうちに離れたいって思うわけなのだ。
あぁ!とわざとらしく今思い出したかのように声をあげるとツナの視線がこちらに向く。
「どうしたの?ついに頭おかしくなった?って元からか」
「常に正常だし!いや、忘れ物思い出して」
「もう痴呆か、可哀相に」
「痴呆でもないから!」
よしよし、と可哀相な目で見ながら私の頭を撫でるこのキングオブザ失礼男。
手を払い除けてくるり、と方向転換してから歩き出す。
今から帰れば完全に遅刻決定だ。
雲雀さんは怖いが、今日提出しなければならない書類を忘れた方がめんどくさい。
ツナとも離れられるし、一石二鳥!とか思ってたら横に影。
え、と横を見ればツナが私の横を歩きつづけていた。
「ツナさーん、先に行ってていいんだよ?」
「遅刻するだろ、お前が」
「うん、だから先に、」
「一人で怒られるより、二人で怒られた方がいいだろ。
しょうがないから俺も一緒に取りに帰って一緒に怒られてやるよ」
ぽん、と再び頭を撫でられて、今度は振り払うことはできなかった。
その優しさと温かさに何度も好きなりそうになってしまう。
…いい奴なんだよね、本当は。
私が一人で怒られて恥ずかしく思うことを知っているからだろう。
ありがとう、と小さく呟きながら俯くとくしゃり、と軽く頭を撫でられた。
その優しさにやっぱり小さく笑うと私はいつもよりゆっくり歩く。
…少しだけ、見直したことは秘密に。
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