Happy Birthday
どうしてだろう、とか今日何かあった?とかいろいろと考えたけど、全く理由が思いつかない。
しかし、理由はどうであれあの俺様僕様恭弥が何故か何か言いたそうに私の方を見つめる。
見つめるというか睨むというかずっと側にいるというか……
朝から変だなーとは思っていた。
珍しく昨日恭弥から「明日出かけるよ」「え、明日?」「明日の朝10時ね」「え、早、」「じゃ」なんて一方的な電話があり、本当に待っていた。
私の家の前にいて(いつもなら私なんて待たずに先に行く)おはよう、と声をかけるとこれまた珍しく「おはよう」と返したかと思ったが、学校に二人黙って歩いていけばいくほど機嫌が悪くなった。
え?私を呼んだのは風紀の仕事が終わってないからじゃないの?
ていうか何もしてないのに機嫌が悪くなっていくのはなんで!?
しかし、「何で機嫌が悪いの?」なんて聞こうものなら拳が降ってくることは長年の経験からわかっているので、迂闊には聞けない。
しばらくは応接室で風紀の仕事をしていたが、恭弥の機嫌は悪い(というか集中できていない)ので息苦しいことこの上ない。
恭弥の機嫌の降下に伴い、私の冷や汗の量も尋常じゃなくなってきた。
何か言ってくれればいいのに、何も言わずに睨むのはやめてほしい…!!
あぁもう、何なんだ雲雀恭弥!!言いたいことがあるなら言ってくれ!!
そう言えたら楽だが、その瞬間私の命は消える…!!
うーん、うーん、と頭を悩ませていると恭弥はゆっくりと立ち上がり、…何故か私の隣に座った。
え、何、と違う意味でどぎまぎしていると恭弥がじっと私を見つめる。
「ねぇ、姫」
「は、はい…」
「今日、休みだね」
「え?…あ、うん」
「……。なんで休みなんだっけ?」
「え?…ゴールデンウィークだからでしょ?」
「……。で」
「で?」
「……。」
「(なぜそこでだんまり!?そして殺気半端ないぃぃ!!)」
「で?」
「…え、え、えっと……(無言の重圧怖い怖い怖い怖い怖い)」
「…で?」
「(ひぃぃぃ!何を求めてるのかさっぱりわかんないんですけどー!!!えぇっと今日は一体何日だ!?そ、そうだ、5日!こどもの日!…5日?あっ…)」
「…はぁ…もういいよ」
あまりにも黙り込んだからだろうか。恭弥は小さくため息をついて立ち上がる。
そんな恭弥の袖を掴んで私も一緒に立ち上がる。
私が止めるとは思わなかったのか、恭弥は驚いたように目を丸くすると私に目を向けた。
…そうか。恭弥は、待ってたんだね。
そのアピールの仕方が何だか可愛くてにやにやしながら私のバッグからプレゼントを取り出す。
「恭弥、誕生日おめでとう」
「……覚えてたの、その小さな頭は」
「今貶した!?覚えてたよ、ちゃんと(さっきまで忘れてたけど)」
「ふぅん」
「恭弥何歳になったの?」
「さぁね」
「相変わらず年齢不詳…」
「関係ないよ」
「そーですね…」
ありがと、と言ってプレゼントを受け取る恭弥はどこか嬉しそう。
あぁ、なんだ、ずっとこの時を待っていたんだな、と思うとやっぱり可愛くて顔はにやついてしまう。
年齢もわからないし、我儘で、言いたいことはあまり口には出さないめんどくさい人だけど。
やっぱり、恭弥が好きだなぁって、思う私はどこまでもこの幼馴染が好きなのだろう。
Happy Birthday!
「……。ねぇ、なにこれ」
「え?ヒバードちゃんの衣装」
「……咬み殺す」
「なんで!!??」
僕への誕生日プレゼントじゃないじゃないか。…なんて、言えるわけないだろ。
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