燃え上がる気持ちを叫びたい
「ツナって正義の味方みたいだよね」
桜舞う中、輝くような笑顔でそう言った君に、いつからか心奪われてた。
優しい眼差し。
時には力強い信念。
弾ける笑顔。
…悲しいほど切なそうな顔をして泣く顔。
そんないろんな表情を見るたびに好きになっていった。
だけど、傍にいればいるほど、…友達のようなこの関係が心地よくて。
好きだ。
ただその一言が、言えなかった。
ーーそんな時…見てしまったんだ。
雲雀さんが、姫を抱き締めているのを。
「ツナ!…?どうした?」
呆然とする俺の様子がおかしいことに気づいたのか、山本が首を傾げる。
何度も頭を過る、…雲雀さんと姫。
…っくそ…!!何だよっ…!!オレは…オレは…ッ!!
「…っ、嫌いだ…」
「え?」
「好きで好きで好きで…っ…嫌いになっちゃいそうだ…」
泣きたくなるほどの思いに、山本は困ったような顔をする。
…あぁ、こんなこと、言わなければよかった。
ごめん、と言って、走り出す。
そう走っていたら、…あぁ、なんてバッドタイミング。
こんな時に、雲雀さんに会ってしまうなんて。
「もう下校時刻だよ」
「…わかってます」
「さっさと帰りなよ」
そう言って背を向ける雲雀さん。
…あのあとどうしたのだろう。
姫を抱き締めて…そして?もしかして、告白した?…まさか…キス、した?
そう考えたら止まらなくなって、思わず、雲雀さん!と呼び止めていた。
「…何」
「姫のこと、好きなんですか?」
まどろっこしいことは、できない。
ストレートに聞くと、雲雀さんは微かに驚いたように目を丸くしたが、…すぐに眉をひそめた。
「…好きだよ」
「…っ」
「君も姫が好きなのは知ってるよ。でも、おさえることはできない」
真っ直ぐな目だった。
本気だ。本気で…姫のことが、好きなんだ。
…だからこそ、負けたくなかった。
「オレもですよ。
…突然出てきた雲雀さんに、姫を譲るつもりはないです」
真っ直ぐな目に、弾き返すように見上げた。
この意志が、伝わるように。
「引っ込んでろよ」
ーーー覚悟は決まった。
負けない。この思いは、絶対に負けない。
誰にも姫は、渡さない。
燃え上がる気持ちを叫びたい
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