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「人間…!?」
「シ――――!!!ろーとタマ、シ――!!
知らない人にウチのことしゃべっちゃダメレロ!!」
「えー何でぇ?」
「ダメレロ!大体今回こいつらとろーとタマの接触は伯爵タマのシナリオには無いんレロロ!?
レロを勝手に持ち出した上にレティシアタマと接触して、これ以上勝手なことすると伯爵タマにペンペンされるレロ!」
伯爵のおしおきを思い出しているのか叫びながら泣き始める。
そんなレロをロードは一言で切り捨てる。
「千年公は僕にそんなことしないもん。
物語を面白くするためのちょっとした脚色だよぉ。
こんなんくらいで千年公のシナリオは変わんないってぇ」
ぎりっ ド ン!!
大きな音がしてレティシアは慌ててアレンに視線を向ける。
アレンは無理やり蝋燭で固定されていた手をはがしていた。
少し動いただけでも痛みが走るのにそれを……
「モヤシくん!?」
どうして自分で自分を傷つけるのよ!
損傷が酷いアレンに駆け寄ろうとしたレティシアをロードが手で制す。
「何で怒ってんのぉ?僕が人間なのが信じらんない?」
ロードはそっとアレンを抱きしめる。
伝わる心音。
伝わる体温。
「あったかいでしょぉ?」
すべてが
「人間と人間が触れ合う感触でしょぉ?」
人間。
「…っ」
認めたくない。
どうしても人間が敵だと思いたくない。
そうでなければ、今まで自分が守ってきたものが、信じてきたものが、壊れてしまうから。
アレンは苦しみながらロードに向かって左腕を振り上げる。
「同じ人間なのにどうして…」
振り上げることはできても、振り下げることはできない。
彼女は…人間だから。
その事実がアレンをじわじわと苦しめていく。
「く…」
「『同じ』?それはちょっと違うなぁ」
アレンの左腕を掴み、ロードは自分で自分に振り下げた。
それは予想外の行動であり、誰も止めることはできなかった。
「ロード!?」とレティシアは驚きの声をあげ、アレンは自分から傷つけたことに絶句する。
倒れていく体。
顔はこの街に入るときと同じように腐敗した肌になる。
これでは命の危険が、とレティシアの血の気を引かせたが、ロードの手がアレンの胸ぐらをつかんでいた。
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