「撃ちなよ。アレンのその手も兵器なんだからさぁ。…レティシア」



ロードは視線をアレンの後ろにいるレティシアに向ける。
突然、声をかけられたレティシアはゆっくりとロードへ視線をあげた。



「…何かしら?」

「一緒に行こう?」

「なっ」



ロードの勧誘にアレンは絶句するがレティシアはフンっと鼻を鳴らす。
その勧誘をあしらうかのように。



「行くわけないでしょ。ていうかノアに会うたびにそれ言われるんだけど?
返事はいつも一緒。ティッキーにもジャスデビにもそう伝えてくれるかしら?

あと……千年伯爵にもね」

「…!」

「…ちぇ。まぁいいやぁ。今日は、ね」


いつか絶対に、僕達のものになるんだから。
千年公のシナリオによってねぇ……

ロードはにやりと笑って視線をアレンに戻す。



「でもアクマが消えてエクソシストが泣いちゃダメっしょーそんなんじゃいつか孤立しちゃうよぉ」


また遊ぼぉ、アレン……
そしてまた今度ねぇ レティシア……

今度は千年公のシナリオの内容でね。



「くそっ…」



ロードの体が完全に扉の中に収まる。
アレンは、やはり撃てなかった。…人間であるロードに向かって、引き金を引くことができなかったのだ。
レティシアは苦しそうに俯くアレンに微かに顔を顰めた。

…撃たなくてよかった、と安心すべきか……
人間と言えども敵を撃てない甘さを嫌悪すべきなのか……
自分の気持ちがわからなくて、レティシアはただ見ていることしかできなかった。

扉が閉まった途端に、いきなり音を立てて部屋が崩れていった。
まるで砂のお城が海の波に飲み込まれていくように……



「崩れてく…!?」

「う…っ」

「ミランダ…」


うめき声をあげたミランダにもう体力の限界なのだと悟る。
やっぱりきついのね……

リナリーもミランダの様子がおかしいことに気付いたのか、ミランダに気を取られていると三人の足元が崩れる。
アレンの目の前で、吸い込まれていく三人。



「リナリー!ミランダ!レティシア!!」



助けようと走り出そうとしたが、アレンも体が宙にうく。

落ちていく中アレンがみたのは、何個ものプレゼント箱。
その一つからアレンが落ちている。…とおもったら目の前にはミランダの家の壁。



「あれ?」



落ちていたはずなのに…ここは…?
…ミランダさんのアパートだ……どうして……
さっきまでいたあの場所はどこだったんだ…?

まさか、あれもロードの力なのか…?あれが…ノアの力…?


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