『ティキ……』



神田はぎゅっと強く拳をにぎる。

前にノアのやつ(ジャスデビ)が言ってた名前……


神田はコムイに言われ巻き戻しの街に来ていた。…レティシアがいると聞いて。
だから任務を早めに終わらせて巻き戻しの街に来た。
聞いた病院に行くとコムイがいて、レティシアは中庭にいるよ、と言われた。

雪が降ってるのに、と思いながら中庭に行くと一人佇んでるレティシアを見つけた。


声をかけようとしたが、できなかった。

真っ白な雪の中、目をつぶっているレティシア……
プラチナブロンドが雪にまじりひとつの美しい絵画のようだった。

その美しさに目を奪われ、動けなかったんだ。


ふとレティシアが目を開けたかと思うと涙がこぼる。

その涙が悲しくて、自然と足を踏み出していた瞬間、微かに聞こえた声。



『ティキ……』



思わず、固まってしまった。


“ティキ”


愛しそうに。

哀しそうに。

切なそうに。

恋しそうに。

呟いた声。


聞いたこともない声に、神田は声もかけず立ち去った……


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