「はぁ…まったく。ユウちゃん機嫌直しなさい」

「………」



汽車の中はいっそ清々しいほど空気が重かった。

朝のことがあったばかりなのに一緒の任務。
レティシアの態度は普通だったのだが、神田が異常に不機嫌だった。



「ユウちゃん」

「ちゃん付けすんな」

「やっと返事したわね。そんな不機嫌そうな顔しなくてもいいんじゃない?」


そう話しかけても再びだんまりを決め込む神田にさすがのレティシアも苦笑するしかない。
これは長期戦ね、なんて考えていると珍しく神田から「…おい」と声をかけられた。



「何?しかも私はレティシアっていう名前があるんだけど?」

「ハッ!くたばらなかったら覚えてやるよ」

「あら。今まで十年間以上生き残ったんだから呼んでくれてもいいんじゃない?」


間。


「…任務でお前が邪魔だと判断したらお前を見捨てる」

「(スルーしたわね。まったく素直じゃないんだから)」

「変な仲間意識持つなよ」

「はぁ…だから言ったのに。ユウちゃんはいつまでもユウちゃんのままね。
まぁいいわ。私も足手まといはいらないし。言っとくけど、私が足手まといになるなんてありえない」

「どうだか」

「いいわよ?ユウちゃんが足手まといにならないでね。
よければ私一人が任務を終わらせてあげましょうか?」

「…その言葉そのまま返してやるよ」


バチバチと火花が(一方的に)散った気がした。

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