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「ラビットあそこ!」
白い髪を隠すためにかぶっている黒いフードが目に入る。
アレン、と声をかけようとしたが、アレンの後ろに迫るアクマの影に気付き、ラビに合図を送る。
ラビもアクマに気付いたようで「OK!」と頷き、槌をアクマへ伸ばしていた。
――ドンッ!!
「あっぶな〜」
ラビの明るい声が爆発音と共に響く。
少し遅れてレティシアがアレンの傍に寄り「ケガはある?ないわね」と聞いているのかいないのかよくわからない質問をする。
…まぁ別に怪我はないので問題はないが。
「なーにやってんだよ、アレン」
「アクマに背後をとられるなんてエクソシストとして致命的よ?」
「立てよ。敵(やっこ)さんが来たみたいだぜ」
ラビは槌の上に立ち、アクマを思いっきり破壊した。
街の真ん中では目立つことこの上ない。
しかも勘違いされることばかりだ。
「きゃあああ人殺し…!人殺しだ!!」
人殺しと見間違えられるのは慣れているのか弁解することなくラビは無視する。
もちろんレティシアも我が道をいく人なので無視。
むしろラビの派手さにため息をついている。
「ラビットの槌、ちょっと派手すぎ」
「そんなことないって。アレン、大通りは人が多くて危ねェよ。
アクマに背後をとられる。人間を見たらアクマと思わねーと」
槌を小さくしながら持つ手を変える。
「お前今、アクマを見分ける眼使えねェんだろ?」
「ご、ごめん。ラビとレティシアは今…どうして…」
「あぁ、それは、」
レティシアが口を開こうとした瞬間、後ろに大きな衝撃が起こる。
それは明らかにアクマの攻撃であり、新しいアクマが現れたことを意味していた。
「新手か!」
「まぁ生意気。私の言葉を遮るなんて」
巨大な鉄の塊をもつアクマが目の前に現れる。
先ほどの大きな衝撃はその塊だったようだった。
しかもこの塊は無駄に熱い。
三人ともその熱さに耐えきれず「あちち!」なんて叫びながら鉄の塊から急いで離れる。
しかし、アクマが1つで満足するはずもなく、次々と塊が飛んできた。
「ラビット!得意分野でしょ!」
「イエッサァ!大槌小槌、満満、満」
ラビの声に比例して大きくなる槌。
大きくなる、というのは少しのことではなく、家を軽々と潰せそうなくらい大きかった。
人間が持つには大きすぎて、ありえないだろう。
アレンもその大きさに顔を引きつらせていた。
「(でかくなった!)」
「頭下げてろよぉ―――」
「下げてないとぺちゃんこね!」
「こんな大通りで、んなモン投げっとぉ」
ラビはでかくなった槌を大きく振りかぶる。
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