4
「危ねェだろアクマ!!」
投げつけられた鉄の塊をそのままバットのように打ち返す。
野球のように鉄は飛んでいかず、脆い塊は粉々に砕け散っていた。
しかし特急列車が途中で止まれないのと一緒で、ラビの槌も途中では止まれない。
勢いはそのまま振り切ると隣の家まで粉々になっていた。
「あ」
「やっぱり破壊活動はラビットの得意分野ね」
「(建物まで壊したー!!)」
「あは、ダイジョブダイジョブ。コムイが弁償してくれっさ!」
「この前その請求書見てコムイ泣いてたわよ」
『ラビの馬鹿――!こんなに壊してー!!』
あまりの怒りにコーヒーをリーバーに投げ飛ばして怒られてたわね……
あの時の光景が目に浮かぶ。
レティシアの言葉にラビは「げ…」と渋い顔をしたが、結局のところ「ま、大丈夫さ!」と笑って誤魔化した。
「とにかく場所を変え…」
「動くな!!」
「あの子達です!黒服の子供!人を殺したんです!!」
「よけいなお節介とはこのことねぇ」
「ゲッ、お巡りだ…!」
心底嫌そうにレティシアはため息をついた。
アレンも思い出されるはモアだろう。
警官は黒の教団の存在を知らない。知っているのは上の人間だけだ。
だからこそ、一般人と同じように「アクマ」ではなく「人」を殺したと勘違いする。
違う、アクマだ、と説明しても「お伽噺か」と馬鹿にする。厄介だ。
「連行する来い!」
「あ、いや、僕達は…」
モアの時同様アレンは連行されそうになり、違うと弁解しようとする。
しかし、ラビはその警官に槌を突き付けていた。
レティシアも後ろで戦闘態勢に入っている。
そんなラビに警官は「や、やめなさい、何を…!!」と焦りの表情を見せる。
もちろん人間だと思っているアレンもラビの行動に「ラビ!?」と戸惑いの声をあげた。
「やめ…なさい!」
「…!!」
人間だと思っていた警官がコンバートしてアクマの本性を見せる。
警官から撃たれる弾を弾きながら三人は後退していった。
「また新手!コイツらオレらとドンパチしに来たみてェだな」
「……」
「とにかく場所を変えるぞ」
「はいは〜い」
壁を越え、人気のない所まで移動する。
あれだけ周りに人間がいれば、アクマが混ざって見分けがつかないので厄介だ。
雪のお陰で着地も緩やかに行うことができた。
「しっかし反応遅いぞ、アレン。アクマの姿になってから戦闘態勢に入ってたら死ぬぞ?」
「ごめん…ラビはどうしてわかったの?」
「わかんじゃねェよ。全部疑ってんだ。自分に近づく奴は全部ずっと疑ってる。
昨日会った人間が今日はアクマかもしれない。オレらはそういうのと戦争してんだから」
「ホント、面倒くさいというかなんていうかねぇ…」
「お前だってそんなことわかってんだろ、アレン」
ぞろぞろと集まってくる死人のような目をした人達。
それらは全てアクマであり、自分たちを襲うためにきた者たち。
私も戦わなきゃいけないわね…とレティシアがこぼした。
- 125 -
*前次#
ページ:
back
ALICE+