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リナリーも目を覚ましたので、馬車の中に入り目的地に向かう。
そして、コムイの目的である「任務」の話をする。
「それじゃ任務について話すよ。いいかいふたりとも?」
「「はい…」」
ブックマンを怒らせたため2人は正座中。
馬車という不安定で固い椅子の上で正座をするのはかなりの苦行だろう。
慣れていない二人は今にも死にそうな顔だ。
しかしそんな空気もいっぺんに変わった。
「先日、元帥のひとりが殺されました。殺されたのはケビン・イエーガー元帥。
5人の元帥の中で最も高齢ながら常に第一線で戦っておられた人だった」
「あのイエーガー元帥が…!?」
ショックなのかリナリーが口元を抑えた。
レティシアも顔を厳しくして、腕を組んだ。
「イエーガーがね…」
「(やっぱり呼び捨て…)」
「ベルギーで発見された彼は教会の十字架に裏向きに吊され背中に『神狩り』と彫られていた」
「神狩り…!?」
「イノセンスの事だな、コムイ!?」
「そうだよ。元帥は適合者探しを含めてそれぞれに複数のイノセンスを持っている。
イエーガー元帥は八個所持していた。奪われたイノセンスは元帥のアクマ武器を含めて九個」
「九…っ」
奪われた数の多さに絶句する。
一個見つけるのも大変なのに…一気に9個も…!
「瀕死の重傷を負い十字架に吊されてもなお、かろうじて生きていた元帥は息を引き取るまでずっと歌を歌っていた」
せんねんこうは…さがしてるぅ♪
だいじなハートさがしてる…♪
わたしはハズレ…つぎはダレ…♪
「センネンコー?」
「伯爵の愛称みたいだよ。アレンくんとリナリー、レティシアが遭遇したノアがそう呼んでたらしい」
「あの…『大事なハート』って…?」
「我々が探し求めている109個のイノセンスの中にひとつ『心臓』とも呼ぶべき核のイノセンスがあるんだよ。
それはすべてのイノセンスの力の根源でありすべてのイノセンスを無に帰す存在。
それを手に入れて初めて我々は終焉を止める力を得ることができる。…伯爵が狙ってるのはそれだ!」
コムイから語られる話にアレンは少なからず衝撃を受ける。
ハート…それを壊されたらすべてのイノセンスが消えてしまう……
チェスでいえばいわば「キング」の駒。取られてしまえばチェックメイト。
そんな大切なイノセンスがあるとは思っていなかったのだ。
「そのイノセンスはどこに?」
「わかんない。レティシアは知ってます?」
「私も知らないわね」
「へ?」
「実はぶっちゃけるとサ。それがどんなイノセンスで何を目印にそれだと判別するのか石箱に記いてないんだよ〜
もしかしたらもう回収してるかもしんないし誰かが適合者になってるかもしんない」
だからわかんないの。
こっちもさー見つけたイノセンスをヘブくんにみてもらったりしていろいろ考えてはいるんだけどサー。
いくらボクがかなり優秀でも何も手掛かりないんじゃねェー。
ホント困ったものなんだよ。こっちも忙しいのにさぁ。
古代の人もせめてヒントだけでもかいててくれればいいのにケチだよね。
そりゃ色々事情があったんだろうけどさーこっちの身にも少しはなれってんだよホント。
なんてぶつぶつ言っている。
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